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スポーツ会場の規模が小さくなる?
ボクシングが予見する興行の未来。 

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池田純

池田純Jun Ikeda

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posted2019/01/21 07:00

スポーツ会場の規模が小さくなる?ボクシングが予見する興行の未来。<Number Web> photograph by AFLO

昨年末、伊藤雅雪は初防衛に成功。今後はアメリカでの試合を予定している。

客単価をどう高めていくのか。

 それと同時に球団と球場の一体経営も実現させました。

 いわゆる“ボールパーク構想(ベイスターズはコミュニティボールパーク化構想と銘打ちました)”をしっかりと形にすることで、プロ野球チームとして球場を舞台に、野球をきっかけに人が集ったり、様々なコミュニティでの会話が育まれたり、非日常の雰囲気を楽しめたりするような、多くの企画やイベントを仕掛けられる環境づくりを行ったのです。

 ただ、今となっては、そういった「一体経営」は、実現しなければならない最低ラインの条件、といったレベルであって、正直なところ先進的な施策とはいえません。

 ではどうしたらいいのか。

 これからは、ビジネスの世界で言うところのARPU(Average Revenue Per User:客単価)を上げることが重要です。

 観客数は減っても客席の価値を高めつつ、単価も押し上げる。ライブで見られるスタジアムやアリーナの席を確保できる価値を高め、より良い体験ができる客席にする。そして生で見られない人のための、多角的な配信を準備するのです。

 PPV(Pay Per View)で稼ぐ仕組みは海外では当たり前。放映権に関しても、世界標準のこのシステムをもっと国内に導入しつつ、日本発のコンテンツとして世界でも見てもらえるように、さまざま試行錯誤し、成功体験を積み重ねていく必要があります。

注目したいのはボクシング。

 そういった点で私が注目したい競技はボクシングです。

 総合格闘技やキックボクシングの団体は、レギュレーションが多岐にわたって本筋がどの団体か分かりにくくなっています。その点でいえば、ボクシングもアメリカのみならず英国などヨーロッパでも団体がいくつかに分かれているものの、ボクシングという傘の元で人気を博している。いわばプロ格闘技の世界で唯一といってもいいほど“世界共通言語”ともいえる構造のスポーツです。

 そんな中、日本人選手たちの近年の活躍は本当にめざましい。井上尚弥選手は言うに及ばず、年末にフジテレビが放送していた伊藤雅雪選手の初防衛戦なども、見ごたえのある試合でした。

【次ページ】 放映権の高さと席の破格ぶり。

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