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宮藤官九郎の『いだてん』執筆記。
「辛さのレベルは全然違いますが」

posted2019/01/20 09:00

 
宮藤官九郎の『いだてん』執筆記。「辛さのレベルは全然違いますが」<Number Web> photograph by Kankuro Kudo/Illustration

本誌コラム用に宮藤官九郎氏が描いた嘉納治五郎。

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宮藤官九郎

宮藤官九郎Kankuro Kudo

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photograph by

Kankuro Kudo/Illustration

1月6日に始まった大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺』。
その脚本を執筆する「クドカン」こと宮藤官九郎氏が
Number970号「テニス開幕特集 ラブゲームで行こう」(2019年1月17日発売)に寄せた連載エッセイを、今回だけ特別に全文公開します!

『いだてん~東京オリムピック噺』が1月6日スタートしました。

 いかがでした? 大河でした? 大河じゃない! と言われましても、2話から唐突に信長や龍馬を出すわけにもいかないので、そこは諦めて1年間お付き合い頂きたい。

 2019年の大河ドラマでオリンピックを描く。これ、ひょっとして翌'20年の東京オリンピックを盛り上げるために巧みに仕組まれた国家的プロパガンダじゃない? そんな邪推を、この場でハッキリ否定します。そんな大それた企画だったら俺んとこなんかに来るわけないじゃない。

 意外かもしれませんが、こちらから持ち込んだ企画なのです。「大河でオリンピックやりたいんですけどー」とお伺いを立てた時の各所の反応は、総じて及び腰だったようです。

製作陣の説得のおかげ。

「えーと……一旦持ち帰って検討させて下さい!」

 そりゃそうです。地道な招致活動と滝川クリステル女史の「お、も、て、な、し」スピーチで、ようやく勝ち取った悲願のオリンピック。これから国を挙げて盛り上げて行こうって時に、貧相な猫背の脚本家がなんか言って来たぜ。

 大河でオリンピックとか言ってますぜ。おいおい便乗商法か? 勘弁してよ。たまたま数年前の朝ドラがうまくいったからって調子こいてんだろうけど、スケールが違うんだよ。分かってる? こちとら世界大会。平和の祭典。失敗は許されないんだよ。どうせ茶化すんだろ。

 合言葉は『クールジャパン』なんだよ。知ってんだぞ。お前のやってるバンド、グループ魂だっけ?『ペニスジャパン』って歌ってんだろ、おととい来やがれ!……と、だいぶ被害妄想まじりですが、おそらく信用されてなかった。

 制作陣が粘り強く説得して下さったおかげで「……そんなにやりたいんだったら、じゃあ、やれば?」と、しぶしぶ許諾して頂き、キャスティングが発表され、撮影が始まると、どうやら本気らしいと伝わったのか、雑誌やウェブで取り上げて頂く機会が増えたんだから有り難い話です。

【次ページ】 脚本はもう“前畑ガンバレ!”

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