炎の一筆入魂BACK NUMBER
カープ黄金期継続、日本一へ……。
鈴木誠也世代の新時代が始まる!
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byKyodo News
posted2019/01/07 08:00
大怪我の後、219日ぶりに開幕戦で復帰した鈴木誠也。写真は4月下旬、満塁ホームランでベンチ前でファンと一緒に迎えられたシーン。
緒方監督「毎年チームの色は変わる」
3連覇した広島の顔は、タナキクマルに代表される平成元年度生まれの選手たちだった。投手には野村祐輔もいる。緒方監督もシーズン中に「今年のチームの中心は彼ら(世代)」と認めていた。
丸が抜けたとはいえ、菊池(涼介)も田中(広輔)も健在。安部友裕も野村もいる。'19年も彼らがチームの中心であることに変わりはない。
ただ、チーム変革のためにはいつまでも彼ら世代に頼ってもいられない。緒方監督は常に「毎年チームの色は変わる」と口にしてきた。変化を恐れないのではなく、変化を求めていた。
'19年はこれまで以上に大きく変化する1年になる。それでも指揮官はあくまでも冷静に言葉をつむいだ。
「主力級の選手が抜けたけど、それでもやる野球は変わらない。そこに新しい力が出てくる。
25年ぶりに優勝した時もマエケン(前田健太)という絶対的なエースが抜けて勝ち取った、連覇にしても黒田(博樹)という精神的な大きな柱がいなくなった後だった。
そういった意味でもチームとして戦力はダウンするかもしれないけど、ダウンしたところから、あとはプラスの上積みしかない」
これまでけん引してきた平成元年世代に続く、次の世代の台頭がチーム力をグッと上げる。
「僕らがやらないといけない」。そう自覚を胸に刻むのは、若き4番鈴木誠也。19年から背番号1を背負い、球団の期待は大きい。
“切り札”から“主力”へ。
「ポスト丸」と期待されるのも、鈴木と同じ'94年生まれの西川龍馬だ。
打撃技術はチーム屈指で侍ジャパン選出の実績を持つ。三塁守備の課題を露呈したことで'18年終盤は出場機会を減らしたものの、丸が抜けた外野の一角を狙い、秋季キャンプから本格参戦した。
西川にとって、'19年は“切り札”から、“主力”へとステップを上がる勝負の1年となりそうだ。