炎の一筆入魂BACK NUMBER
カープ黄金期継続、日本一へ……。
鈴木誠也世代の新時代が始まる!
text by
前原淳Jun Maehara
photograph byKyodo News
posted2019/01/07 08:00
大怪我の後、219日ぶりに開幕戦で復帰した鈴木誠也。写真は4月下旬、満塁ホームランでベンチ前でファンと一緒に迎えられたシーン。
投手陣の立て直しに重要な2人とは?
主力が抜けた打線ばかりではなく、'18年に防御率4点台だった投手陣の立て直しも、広島が抱える問題である。
二軍で4年、若手投手育成に尽力してきた佐々岡真司コーチの一軍登用からも球団の思いは感じる。チームは投打が補い合うもの。'18年までの3連覇は打線がチームをけん引してきたが、'19年からは投手力がポイントとなりそうだ。
そういった意味でも、投手もまた、'94年度生まれの世代をキーマンに挙げたい。
ともに'18年は一軍登板ゼロに終わった矢崎(加藤)拓也と床田寛樹の2人だ。
矢崎、床田の復活に至る道。
矢崎は課題と言われた制球面の改善が見られ、秋季キャンプでアピールに成功した。
「やるべき方向性が見えた」
'16年のドラフト1位の逸材であり、もともと球に力はあった。入団時からの悩んでいるような表情が明るくなったことが、来季に期待を抱かせる何よりの好材料に感じられる。
矢崎と同期の床田は入団1年目の'17年に開幕ローテ入りするも、左ひじ痛で離脱。同年7月に左肘関節内側側副靱帯再建手術と尺骨神経剥離手術を受け、長期離脱を余儀なくされた。
長く苦しいリハビリから解放された左腕は'18年の後半戦に実戦復帰。持ち味の制球力と球の出どころが見えづらい投球術は健在。復帰即好結果を残したものの、再発のリスク回避のため早期昇格は見送られた。
復帰後見せた投球だけでなく、地道なリハビリで見違えるように太くなった腰回りや太腿もまた、たくましさが増したように感じさせる。