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中日復活の鍵はリリーフの整備。
最大の新戦力は与田監督ら首脳陣か。

posted2018/12/30 11:30

 
中日復活の鍵はリリーフの整備。最大の新戦力は与田監督ら首脳陣か。<Number Web> photograph by Kyodo News

与田新監督は、2000年に現役引退後、解説者を務める傍ら、社会人野球、女子野球、WBC日本代表、楽天でコーチを務めた。

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小西斗真

小西斗真Toma Konishi

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Kyodo News

 毎年恒例、Number Web版“プロ野球・ゆく年くる年”企画は、全12球団の反省と期待を綴る短期集中連載シリーズ。今年もそれぞれの愛すべきチームについて、しっかりと2018年、そして2019年への思いを発表したいと思います。
 第4回は、与田剛新監督と新指導陣に期待がかかっている中日ドラゴンズです!
 

 63勝78敗2分けで5位。阪神の失速でかろうじて最下位は免れたものの、6年連続Bクラスと老舗球団の黒歴史を上書きしてしまった。ただし、昨年までは見えてこなかった復活への光が、差し込んだシーズンでもあった。

 攻撃力はAクラスであることが実証された。チーム打率は前年の.247から一気に.265まで上昇し、リーグ2位となった。最大の推進力となったのが、.348、178安打で首位打者と最多安打の二冠に輝いたダヤン・ビシエドだ。来日3年目でのキャリアハイであり、まだ29歳という若さも魅力。このオフに3年の大型契約を結んでおり、来季以降も安定した活躍を望めそうだ。

 攻撃力が強化された理由は、4番打者の働きだけではない。捕手(8番)以外の7人が規定打席に到達。レギュラーに大きな故障がなく、メンバーを固定して戦い抜けたのは大きなプラス材料だった。

野手は伸びしろ、投手は?

 チーム本塁打が111本から97本(リーグ5位)に減少したが、これは本塁打王のアレックス・ゲレーロが巨人に移籍したため。代わりに入団したソイロ・アルモンテが打率.321と日本野球に適応し、見事に穴を埋めた。総得点598(同4位)は前年比で100点以上増え、402四球も同5位ながら、やはり前年比25%増だ。レギュラー野手は20代が中心で、さらなる伸びしろを期待できそうだ。

 守備率.991、52失策もセ・リーグトップ。堅実に守り、支えた。チームのOPS(長打率+出塁率)が同5位の.705にとどまったのは、ピッチャーズパークのナゴヤドームが本拠地であり、どうしても長打率が伸びないことを考えればやむを得ないところだろう。

 そうなると、Bクラスの原因は投手陣へと向けられる。事実、基本的な数値だけ見ても弱さは表れている。チーム防御率4.36(同6位、前年は4.05)、149被本塁打(同5位タイ、前年は127)、与四球526(同5位、前年は495)と軒並み悪化した。

 攻撃力のところで書いたように、ピッチャーズパークで半分を戦いながら、この数字はかなり深刻だ。痛打を恐れ、ボール球で誘おうとしたが振ってくれずにカウントが悪くなり、結果的に四球を与える。その繰り返しで退路を自らふさいでしまったところで、結局、痛打される。そんな図式が透けて見える。

【次ページ】 松坂らは存在感を示したが。

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