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野球ファンは人事の話が大好きだ。
プロテクトと人的補償の報道祭り。

posted2018/12/31 08:00

 
野球ファンは人事の話が大好きだ。プロテクトと人的補償の報道祭り。<Number Web> photograph by Kyodo News

西武に移籍、入団記者会見で渡辺久信SD(右)と握手する内海哲也投手。

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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 プロ野球のペナントレース同様に、いやもしかしたらそれ以上にストーブリーグが好きだったりする。

 ドラフト、トレード、FA、新監督など、飛び交う情報を丹念に読んでしまう。スポーツ紙はもちろん、タブロイド紙や週刊誌も大好物。

「阪神、掛布監督浮上」という記事ならまだしも、「巨人、中畑監督誕生か」とか、そんなことあるわけないと思いつつ想像して楽しんでしまう。野次馬心をくすぐられるのだ。暇なのかもしれない。

 しかし「まさかぁ」と半信半疑で読んでいた記事があとから考えると「あ……」となることもある。

 たとえば10月早々に東スポが書いた『中日新監督に伊東勤氏が浮上 森監督は退任→フロント入り』(10月6日・東スポWeb)がそう。

 記事には「伊東氏の組閣構想には今季まで楽天の二軍投手コーチだった与田剛氏も入っている模様だ」という記述があった。

 実際は与田剛監督、伊東勤ヘッドコーチとなって逆になったが、ほぼ当たっているではないか。

 なんらかの動きを東スポが掴んだのだろう。夕刊紙やタブロイド紙を軽視してはいけないのである。

「活字ドラフト」はたまらない。

 さて、活字で読んでも面白いのはドラフト会議だろう。将来のスター候補は誰か? 人気選手をどの球団が指名するのか、あの球団は誰にいくのか? その過程である「活字ドラフト」はたまらない。

 活字ドラフトの第一人者と言えば小関順二氏だ。

 小関氏の新刊『ドラフト未来予想図』を読むと、1988年に自分たちでおこなった第1回模擬ドラフト会議の様子が書かれていた。

「ドラフトの記事なんて誰が読むんだ」という時代を経て、ドラフト会議倶楽部を立ち上げた話を振り返っている。当時高校生の私は「週刊ベースボール」でこの模擬ドラフトの記事を読み、その楽しみ方にワクワクした。

【次ページ】 ドラフトが「正々堂々」に変わった影響。

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内海哲也

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