福西崇史の「考えるサッカー」BACK NUMBER
福西崇史「純粋にすごいな、と」
堂安律のゴールと森保Jの“余裕”。
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph byTakuya Sugiyama
posted2018/10/17 17:00
代表初ゴールを奪った堂安律。酒井宏樹との連係で若手版バロンドール候補10人に選ばれた実力を見せた。
森保監督がW杯にいた大きさ。
さて今回の連戦、ロシアW杯の主力と若手の“融合”がテーマと言われてましたけど、すでに完成度が高まっている印象です。これは森保監督がロシアW杯でコーチとして関わっていたことも大きいのかな、と感じます。
W杯で指揮を執ったのは西野(朗)さんでしたが、選手をより近いところで見てきた分だけ「アイツはこういった使い方だと持ち味を発揮できるのでは」とイメージしやすいでしょうし、選手の性格や個性など、内面的なところも把握している。
9月に招集された選手はもちろん、W杯以来の選手ともコミュニケーションを取れているだろうから、両方に信頼感が生まれている。これは間違いなく今後のチーム作りでいい方向に出るでしょう。
森保監督が描くサッカー像を理解しつつ、自分たちで判断して試合を進められる。だから2列目にドリブラーが多い陣容でも、チームとして戦えたのではと思います。
2試合の起用法も興味深い。
あとは今回の連戦での選手起用法も興味深かったです。1戦目と2戦目で大きく先発メンバーを入れ替えましたが、現時点ではウルグアイ戦が今後のベースになりそうな選手、パナマ戦が試したい選手を重視したのかなと。
特にウルグアイ戦で森保監督が使った交代枠は2人(ウルグアイは6人を交代)。長時間プレーさせて連係を熟成させたいという思いがあったんでしょう。
日本は来年1月のアジアカップが新体制初の公式戦となりますが、森保監督としては1人でも多くの選手を試しつつ、土台を少しずつ作っていくはず。
強豪のウルグアイ相手に軸となりそうな選手が内容のある結果を出したからこそ、パナマ戦の出場メンバーや未招集組はそこに割って入るために、Jリーグや海外の所属クラブで実力を示せるか。その相乗効果を11月の連戦でも期待したいですね。
(構成・茂野聡士)