フランス・フットボール通信BACK NUMBER
ピケが世代交代問題で若手に圧力!?
バルセロナの時限爆弾が炸裂する時。
text by
フローラン・トルシュFlorent Torchut
photograph byFranck Faugere
posted2018/08/20 10:30
ラキティッチ、スアレス、ピケ……実力は申し分ないが、そろそろ選手のリニューアルを急がねば。
唯一の例外はウムティティだが……。
クラブの手厚い保護を受けて、メッシとスアレスはバルサに留まり続ける限り枕を高くして寝ることができる。彼らを脅かし得る存在といえば、せいぜいがパコ・アルカセルかムニル・エルハダジぐらいで、しかもそのどちらかは今季レンタルでクラブを出ることになるだろう。
ふたりが負傷したり調子を落としたときには、エルネスト・バルベルデが代役を務めることになる。
一方、怪我で1年目の昨季は満足な活躍ができなかったデンベレは、ネイマールの不在を忘れさせるほどの存在感は示してはいない。
結局のところネイマール以外には、バルサの主力は誰も代わっていない。
唯一の例外が2014年に引退したカルレス・プジョルの後継者としての地位を確立したウムティティぐらいである。
2016年夏にダニエウ・アウベスがユベントスに移籍していった後の右サイドは、窮余の代役として穴を埋めたセルジ・ロベルトが今も務めている。
中盤のラキティッチとコウチーニョは、ようやくシャビとイニエスタの不在を忘れさせるまでになった。しかしふたりの後継者として期待がかかるアルツールは、自分らしさを発揮する前にまずバルサのプレーに慣れるまでにかなりの時間を要するだろう。
もうマシア出身選手はトップで定着しない。
新たな世代の息吹は、育成組織からも吹いてこない。
2012年にペップ・グァルディオラがチームを離れて以来、マシア出身の若手は誰ひとりとしてトップチームに長く定着していない。
この4月17日、対セルタ戦でバルベルデは、この16年間ではじめてマシア出身者がひとりもいないチームを先発させた。カルレス・アレニャが次第にトップチームでプレーする機会が増えているとはいえ、この2年間で7試合に出場しているに過ぎない。