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ピケが世代交代問題で若手に圧力!?
バルセロナの時限爆弾が炸裂する時。
posted2018/08/20 10:30
text by
フローラン・トルシュFlorent Torchut
photograph by
Franck Faugere
『フランス・フットボール』誌7月31日発売号では、FCバルセロナをめぐる問題を取り上げている。昨シーズン、リーガと国王カップの2冠を達成したことが、バルセロナがこれから直面するであろう様々な困難を隠ぺいしたと同誌はいう。
主力の高齢化と世代交代の遅れ、かつては世界最高の育成組織として評判の高かった“ラ・マシア(バルセロナの育成組織の総称)”の影響力の喪失が、迫り来る危機的状況への警鐘を鳴らしていると。
フローラン・トルシュ記者がバルサの実態に迫った。
監修:田村修一
世代交代問題は重大な問題だが……。
バルサの現在の状況を養老院と呼ぶにはいささか早い。
とはいえ時間の経過とともにフィールドプレイヤーの半分が30歳を越えようとしているのも紛れもない事実である。
リオネル・メッシとルイス・スアレス、ジェラール・ピケが31歳。イバン・ラキティッチとセルヒオ・ブスケッツが30歳。ジョルディ・アルバも来年3月に30歳の誕生日を迎える。
サミュエル・ウムティティ(24歳)とウスマン・デンベレ(21歳)、フィリペ・コウチーニョ、マルク・アンドレ・テア・シュテゲン(ともに26歳)らは、クラブの未来を託すべき存在であるといえるものの、彼らの後に続く選手が誰もいないのがバルサの抱える深刻な問題なのであった。
「もちろんクラブもそれが短期的・中期的に重大な問題になることは十分に認識している。世代交代は容易ではない」と、マルカ紙で長年にわたりバルセロナを担当するルイス・ロホ記者は言う。