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ピケが世代交代問題で若手に圧力!?
バルセロナの時限爆弾が炸裂する時。
text by
フローラン・トルシュFlorent Torchut
photograph byFranck Faugere
posted2018/08/20 10:30
ラキティッチ、スアレス、ピケ……実力は申し分ないが、そろそろ選手のリニューアルを急がねば。
誰もスタメンを脅かせない現状。
「すでにスポーツ面で影響が出始めている。ここ数年、クラブが移籍で獲得したのはサブクラスの選手ばかりで、スタメンを脅かしうる選手はひとりとしていなかった。
実際、ウムティティを除き、誰もスタメンに定着していない。アンドレ・ゴメスやルカ・ディニュ、パコ・アルカセル……。彼らにポジションを確保する力はなかった」
このオフに獲得したDFのクレメン・ラングレ(23歳、移籍金3590万ユーロ)やMFのアルツール(当時21歳、同3100万ユーロ)、マルコム(21歳、4100万ユーロ)も同様で、クラブの未来を保障するような補強ではない。
ネイマールという悪しき前例。
ここ数シーズンというものバルサはビッグネームの獲得に成功していない。
どれほどの大物であろうと、《神聖不可侵》なメッシとスアレスの陰に隠れてしまうことが明らかであるからだ。
数カ月にわたる交渉の末に、アントワン・グリーズマンは今季もアトレティコ・マドリー残留を決めた。
メッシとスアレスの理想的なパートナーと評価されながらバルサ移籍を決断できなかったのは、ネイマールの例を目の当たりにしているからだった。
ネイマールこそは、バルサの攻撃陣を完成する切り札として、2013年にサントスから鳴り物入りで加入した。しかし彼は21年までバルサとの契約が残るメッシのもとで、メッシの引き立て役に甘んじるよりも、自らがトップに君臨するチームを構築すべくパリ・サンジェルマンに移籍し、押しも押されもせぬスターとなったのだった。