欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
ロナウド獲得でユーベ8連覇へ盤石!
ナポリ、ローマ等、セリエA実力査定。
text by
手嶋真彦Masahiko Tejima
photograph byGetty Images
posted2018/08/01 16:30
ビアンコネロを着用したクリスティアーノ・ロナウド。ユーベ8連覇への最重要ピースなのは間違いない。
ローマ、インテルのGK事情は?
<ローマのGK刷新状況>
退団 アリソン:セーブ率77.7%(セーブ108回/枠内シュート139本)
加入 ロビン・オルセン:詳細データなし
加入 アントニオ・ミランテ:セーブ率68.1%(セーブ98回/枠内シュート144本)
昨シーズンのセリエAで最高のセーブ率を記録したブラジル代表アリソン(リバプールへ)の穴をいかに埋めるかには、決定的な意味合いがある。枠内シュートにも正面への容易なシュートと隅への高難度のシュートがあり、一概に比較できないと承知の上で話を続ければ、ボローニャの正GKだったミランテにアリソンの穴埋めを託せるか、疑問が否めない。両GKのセーブ率9.6%という差は、枠内シュートが140本だとするとセーブが13~14回増えるか減るかの違いだ。単純計算で失点もそれだけ増減するだろう。
ミランテは第2GKであり、焦点は欧州4大リーグ初挑戦のオルセン(昨シーズンはデンマークのコペンハーゲンでプレー)に集まる。先のW杯でスウェーデンのベスト8進出に貢献した実力を十分に発揮できないようだと、約80億円の移籍金と引き換えとはいえアリソンの放出を悔やむはめにもなりかねない(オルセンの獲得には約11億円を、ミランテの獲得には約5億円を費やした)。
<インテルのGK刷新状況>
残留 サミール・ハンダノビッチ:セーブ率76.5%(セーブ91回/枠内シュート119本)
ローマほどではないが、ユベントスやナポリよりも枠内シュートをたくさん許している。ハンダノビッチのセーブ率はアリソンにも匹敵するので、総失点の数字を改善するには枠内シュートをいかに減らせるかにかかっているだろう。別の数字もご覧いただきたい。
“取りこぼし”が多いのは……。
<セリエAの最終順位が「11位(勝点43)以下」との対戦での“取りこぼし”>
ユベントス:2分(1得点・1失点)→勝点4減
ナポリ:2分(1得点・1失点)→勝点4減
ローマ:4分(3得点・3失点)→勝点8減
インテル:3分4敗(5得点・11失点)→勝点18減
この18ポイントを失っていなければインテルの昨シーズンの勝点は「90」となり、ユベントスとの勝点23差は5差まで縮まっていた計算だ。実際にそうならなかったのは、フル稼働を強いられたウイングのイバン・ペリシッチ(クロアチア代表)とアントニオ・カンドレーバ(イタリア代表)が急に失速した通り、選手層が十分ではなかったせいだろう。ユベントスのダグラス・コスタ(ブラジル代表)のような、途中出場で大きな違いを作り出す切り札も存在しなかった。