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ロナウド獲得でユーベ8連覇へ盤石!
ナポリ、ローマ等、セリエA実力査定。
posted2018/08/01 16:30
text by
手嶋真彦Masahiko Tejima
photograph by
Getty Images
クリスティアーノ・ロナウドという“リーサル・ウェポン”を手に入れたユベントスは、イタリアでさらに無双となったのか。追い掛けるセリエAの第2勢力(ナポリ、ローマ、インテル)は、この絶対王者との差を縮める強化を進めているのか――。
今夏ここまでの陣容再編を検証し、それぞれ満点の戦力に近づけるにはどのような一手が必要なのか、数字も用いながら展望していく。
そもそもC・ロナウドが大きな期待を裏切る蓋然性(実際に起こりそうな可能性)は、どのくらいあるのだろう。指標となり得るのは、チャンピオンズリーグでのゴール数だ(2006-07シーズン以降。予選は除く)。
セリエA勢との対戦は、21試合出場(ユベントスと7試合、ローマと6試合、ミランと4試合、インテルと2試合、ナポリと2試合)18得点。1.17試合で1得点というペースだ。イタリア勢以外との対戦は114試合出場102得点、1.12試合で1得点ペースなので大きな違いは認められない。対象を過去5シーズンに絞っても、イタリア勢以外との50試合58得点に対し、セリエA勢とは11試合12得点。そのうち10得点をユベントス戦の7試合で奪っている。
カルチョでもロナウド封じは難しい。
ベテランと呼ばれる33歳になったとはいえ、先のワールドカップで健在を示した通り、大きな衰えの色はない。しかも、新天地は国内リーグを7連覇中の絶対王者ユベントスだ。セリエA残留が現実目標のチームですら高度な守備戦術を駆使し、ストライカー泣かせの国と知られるイタリアでも、C・ロナウドを封じるのは難しいと見ておくべきだろう。
過去2シーズン、ユベントスのCFを務めてきたアルゼンチン代表のゴンサロ・イグアインは、セリエAとCLの95試合に出場して50得点という記録を残している。C・ロナウドはリーガ・エスパニョーラとCLの82試合で78得点。玉突きの移籍で予想される通りイグアインが退団しても、ユベントスの総得点はさらに増えるかもしれない。
ユベントスが7連覇を達成した2017-18シーズンの総得点は「86」だった。サッスオーロ戦の7-0やウディネーゼ戦の6-2など“上げ底”となる大量得点の試合もあったので、実際には75得点程度でも7連覇できたと見てよさそうだ。