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往年の名手アビダルがバルサ帰還。
使命はデンベレを覚醒させること。
posted2018/08/02 10:30
![往年の名手アビダルがバルサ帰還。使命はデンベレを覚醒させること。<Number Web> photograph by Uniphoto press](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/2/3/1500wm/img_233f9ddf810a01309858bc15cf606ca5414355.jpg)
バルサは今季もメッシ(右)ら豪華なアタッカーを並べる。2年目のデンベレは存在感を放てるか。
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![横井伸幸](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/2/4/90/img_242966bf21680bb9f13a96d622c83c2926136.jpg)
横井伸幸Nobuyuki Yokoi
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Uniphoto press
補強の成功、失敗の判定は通常シーズンを終えたところでやるものだが、顔ぶれだけで話を進めると、いまのところ今年のバルセロナは巧くやっている。
ディフェンスラインの強化には昨季セビージャで活躍したクレマン・ラングレを選んだ。
イニエスタが大きな穴を残していった中盤には、グレミオのアルトゥールを「2019年1月加入予定」を前倒しして連れてきた。また、戦術的に重要なドリブラーにはローマ入りが実質決定していたマルコムをかっさらってきた。
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アルトゥールとマルコムはリーガと“バルサ式”への順応に時間がかかるかもしれないが、ファンに夢を抱かせるタレントであることは間違いない。
加えて、クラブが“新戦力”として期待しているのがウスマン・デンベレだ。
莫大な移籍金でも活躍できず。
昨シーズンはデビュー3戦目で負傷。バルベルデ監督のゲームプラン内に居場所を作り損ね、最終的に与えられた出番はリーガが17試合930分。CLが3試合143分だった。
獲得に要した1億5000万ユーロ(約194億円)が当時のクラブ記録を塗り替え話題になったが、初年のコストパフォーマンスの悪さも新記録である。
それでもデンベレの潜在能力は変わることなく評価され、いずれネイマールやムバッペと同等のレベルに達するとも言われている。
だからこそクラブは、なんとか彼を覚醒させたい。本領を発揮してもらいたいのだ。
ところで、この夏バルサはグリーズマンを獲るつもりでいた。
昨年6月にアトレティコ・マドリーとの契約を延長していたが、解約金2億ユーロ(約260億円)が今年の7月1日以降は1億ユーロに下がる点に目をつけ、「本人が望めば移籍可能」と踏んだのだ。
その目的は、もちろん攻撃力アップ。しかし、移籍に付随する効果もバルサにとっては見逃せないものだった。