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ロナウド獲得でユーベ8連覇へ盤石!
ナポリ、ローマ等、セリエA実力査定。
text by
手嶋真彦Masahiko Tejima
photograph byGetty Images
posted2018/08/01 16:30
ビアンコネロを着用したクリスティアーノ・ロナウド。ユーベ8連覇への最重要ピースなのは間違いない。
アンチェロッティのナポリはどうか。
昨シーズンは引き分け2つの差で優勝を逃したナポリは指揮官の交代に踏み切る一方で、陣容自体には自信を持っているのか、今のところ司令塔のジョルジーニョ(チェルシーへ)に代わるMFにスペインのベティスで台頭したファビアン・ルイスを、ウイングの新レギュラー候補にイタリア代表のシモーネ・ベルディを加えるなど(ボローニャから)比較的小規模な刷新に留めている。
マウリツィオ・サッリ前監督(チェルシーへ)が築き上げた組織は攻守両面で完成の域に近づいていたので、昨シーズン終盤に息切れした責任は指揮官にあったという評価なのだろう。新監督に招聘したカルロ・アンチェロッティはより手堅い、今夏のW杯を制したフランス代表のようなチームを整備する手腕に長けている。
ただ、アンチェロッティが指揮を執ったチームの国内リーグ制覇を振り返ると、いずれも不動のCFを擁していた。2016-17シーズンのバイエルンではロベルト・レバンドフスキが30得点を、2012-13シーズンのパリSGではズラタン・イブラヒモビッチが30得点を、2009-10シーズンのチェルシーではディディエ・ドログバが29得点を、そして2003-04シーズンのミランではアンドリー・シェフチェンコが24得点を叩き出している。
カバーニ復帰は「噂にすぎない」。
近年は大きな怪我が続き、ポーランド代表でも停滞しているアルカディウシュ・ミリクの覚醒に賭けるつもりなのか。アンチェロッティはエディンソン・カバーニ(パリSG)のナポリ復帰を「噂にすぎない」と否定する。しかし、それ以前に取り沙汰されたカリム・ベンゼマ(レアル・マドリー)を含め、強力なCFの補強を見送ったままで、さらに強大となったユベントスを打倒できるとは想像しがたい。
セリエAの各クラブが新戦力を獲得できるのは、今夏から移籍期限が前倒しとなり、シーズン開幕前日の8月18日までとなる。絶対王者ユベントスの牙城を脅かすような、陣容再編の大きな驚きは出てくるだろうか。