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宏樹&柴崎に見る「6年周期の法則」。
ロシアで輝くのはロンドン世代!?
posted2018/06/07 11:30
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph by
Getty Images
日本は梅雨入りした地域もあり、ここからジメジメとした季節に入っていく。一方、ここオーストリアは強い日差しが緑葉にきらめく、初夏の雰囲気がすでに漂っている。
サッカー日本代表がロシアW杯直前の合宿を行っている、ドイツ国境にほど近い街、ゼーフェルト。澄んだ空気に包まれた山岳地域は、選手たちに「最高の環境」(長谷部誠)、「準備をする上で、すべてが整っている」(槙野智章)と、あらゆる喧騒を忘れさせる空間を提供している。
今のところチームは順調に調整を進めている。紅白戦など実戦形式のトレーニングでは、国内合宿から取り組み先月30日のガーナ戦でも採用した3バックだけでなく、ハリルジャパン時代の基本布陣である4バックにも着手。
選手たちも入れ代わり立ち代わり自らがプレーし得る複数のポジションを転々としながら、戦術理解と自己アピールに励む。
酒井宏樹は監督交代ぐらいでは慌てない。
そんな中、取材エリアで特に落ち着いたオーラを放っていた2人の選手が印象的だった。
1人は、酒井宏樹。
今季、フランスの名門・マルセイユでレギュラーとしてプレーし、リーグ戦でもブラジル代表のネイマールなど名だたるアタッカーとサイドのエリアで対峙。ハリルジャパンでも不動の右サイドバックとして存在してきた。
「どの監督にも言えますけど、サッカーでは監督が代わればやり方も変わる。そこに対してネガティブになることはないですし、みんなポジティブな雰囲気でやれていますね」
ドイツやフランスでプレーし、彼もまた多くの海外組選手と同様に、監督もプレーヤーも頻繁にうごく欧州市場に身を置いている。プロの世界の現実を冷静に受け止め、感情に左右されることなく振る舞う姿は実に落ち着いている。