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宏樹&柴崎に見る「6年周期の法則」。
ロシアで輝くのはロンドン世代!?
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph byGetty Images
posted2018/06/07 11:30
ロンドンでも主力だったW酒井。あれから6年、ロシアW杯こそ彼らのための舞台なのだ。
3バック布陣では原口と競争に?
先日のガーナ戦、酒井は出場はなかった。リーグ終盤戦に負った左ひざのケガの影響もあったが、新たに試した3-4-2-1の布陣において、右ウイングバックの位置に原口元気がテストされたことが理由でもあった。
普段、酒井が主戦場とする4バックの右サイドバックよりも、定位置が前方になるため、より攻撃力も必要になる。アタッカーが本職の原口がここで起用されたことも、その資質をはかるため。そして彼はまずまずの動きを見せていた。
オーストリアに入り、取材の中で酒井に対してこんな投げかけがあった。
「見ている側からすると、試合でも練習でも主力組から外れることも出てきているが」
彼は臆することなく、まっすぐに答える。
「もちろんそれもありますけど、あくまで照準は初戦のコロンビア戦なので、そこに向けて頑張っていけばいい。マルセイユでもすべての試合に出ているわけではないので、そこに対する焦りはまったくないです。
まあ、『焦れ!』と言いたくなる周りの気持ちもわかります(笑)。でもそこで変に自分のルーティンを壊しても意味がないし、自分なりの調整の仕方がある。そして試合に出たときに、しっかりプレーできればいい」
代表とクラブではモチベーションが違う?
4月末に負傷した際は、W杯に間に合うか否か、不安視された。ただその時も酒井は焦ることなく、自分と向き合い、そして復帰にこぎつけた。自身のSNSで語った「今回は自分の身体が本当に耐えて頑張ってくれました」という言葉は、今の彼の真摯な態度そのものを表していた。
酒井はW杯出場の意味について、ほかの選手とは少し違う角度でこう語った。
「もちろん、親は自分に試合に出てほしいでしょうし(笑)、やっぱり代表選手は普段のクラブでのプレーとは違って、そうした周りの人が喜んでくれることが一番だと思う。
もちろん、前回大会は行っただけで終わってしまったので、自分としては試合に出たい気持ちはある。23人、いや25人(選外となるもチームに帯同する浅野拓磨と井手口陽介を加えた人数)みんなが出たい。でも先発で出られるのは11人。そこをしっかり選手として理解しないといけないし、逆にピッチに立てば他の人の分も背負ってやらないといけない」