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宏樹&柴崎に見る「6年周期の法則」。
ロシアで輝くのはロンドン世代!?
text by
西川結城Yuki Nishikawa
photograph byGetty Images
posted2018/06/07 11:30
ロンドンでも主力だったW酒井。あれから6年、ロシアW杯こそ彼らのための舞台なのだ。
欧州組はみんな落ち着きがある。
皮肉にも、監督以上に選手が前体制と現体制が融合した姿を、わかりやすく表現していた。それはスペインの舞台で、デュエルもチーム戦術も両方高い次元で必要になることを、柴崎自身が痛感したからに他ならない。
「変われたなというか、こういう風に代表合宿に来て、以前より戦えるなと思います。それが成長というのか、慣れというのか。でもまだまだ満足していない。本当に上なんていくらでもいるので、トップ・オブ・トップと渡り合うために継続していく必要がある」
彼の落ち着きもまた、酒井同様に欧州の舞台で培った自信から来ているように感じる。
その表現は様々で、例えば原口元気も今回のメンバー選考について賛否両論が飛ぶ中で、「なんとも思わない。正直、監督が選ぶこと。僕らは選手だし、ああだこうだ言われても気にならないです。そうしたものを、手のひらを返させることができるのもW杯」と何にも動じない姿勢を見せている。代表の舞台で、試合に出られるかどうか。そうした目の前で起こることだけではブレない芯を、彼らからは感じる。
2012年ロンドン五輪世代が活躍する番だ。
最後に、彼らには共通していることがある。それは、2012年に行われたロンドン五輪世代であるということ。他にも山口蛍や宇佐美貴史、武藤嘉紀など、大会に出場したか否かは抜きにして、同世代の選手たちが今回の代表には顔をそろえる。
日本代表には、「五輪後、6年周期」の法則がある。2000年のシドニー五輪は、当時A代表から五輪、ユース代表まで一貫してトルシエ監督が率いていたことから、シドニーのメンバーが2年後の日韓W杯メンバーに多く選出された。
しかしその後は、2004年のアテネ五輪世代(阿部勇樹、田中マルクス闘莉王、大久保嘉人、松井大輔、駒野友一など)が2010年南アフリカW杯で活躍し、2008年の北京五輪世代(本田圭佑、香川真司、岡崎慎司、長友佑都、吉田麻也など)が2014年ブラジルW杯で主軸を担った。
その法則からすると、今大会は2012年のロンドン五輪世代が輝くタイミング。ロシア以降の日本サッカーの近未来を紡いでいくためにも、酒井や柴崎ら、彼らの世代がW杯で主役を張る姿に期待が集まる。