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風間サッカーを体現する和泉竜司。
名古屋で迎える再びの“キレキレ”!

posted2018/03/25 11:30

 
風間サッカーを体現する和泉竜司。名古屋で迎える再びの“キレキレ”!<Number Web> photograph by Takahito Ando

降格の時を知る選手として……いつか「名古屋の顔」になることを目指したいと語る和泉竜司。

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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Takahito Ando

「あの頃と同じように楽しそうにプレーをしているなぁ」

 名古屋グランパスのMF和泉竜司の今の姿を見て、そう思った。

 J1開幕戦のアウェー・ガンバ大阪戦と第2節のホーム・ジュビロ磐田戦を映像で、第3節のアウェー・湘南ベルマーレ戦と第4節のホーム・川崎フロンターレ戦をスタジアムで観て、昔と変わらぬ和泉の躍動感溢れるプレーに目を奪われた。

「あの頃」とは彼が市立船橋高校2年生のときの沖縄インターハイの時のこと。

 灼熱の沖縄の地で背番号15の2年生ストライカーは眩いばかりの光を放っていた。実はこの時、和泉は正式なレギュラーではなく、まだベンチを温めることが多い控えの存在だった。

 しかし、3回戦の山梨学院大付属戦でFWとしてスタメンに抜擢されると、開始早々の7分にいきなりゴールを叩き込む。さらにその試合でもう1点を決めて2ゴールで勝利に貢献すると、準々決勝の立正大淞南戦では圧巻のハットトリック! しかもこの3点、すべてがスーパーゴールだった。

「ついに和泉が覚醒した!!」

 1点目は試合開始早々の3分。ペナルティーエリア外でクロスボールが目の前で大きくバウンドしたところに、彼がスピードに乗った状態からジャンプしてそのまま左足でボールの落ち際を叩くダイレクトハーフボレーシュートを決めた。ボールは唸りを上げてゴールネットに突き刺さり、会場からは大きなどよめきが起こった。

 2点目はゴール前に鋭く飛び込んで見事なタイミングでのスライディングシュート。

 3点目は自身のドリブルから強烈な40m弾丸ミドルシュートをゴール左隅に突き刺したのだ。

「ついに和泉が覚醒した!!」

 沖縄の地で大きな興奮を感じたのを今でもはっきりと覚えている。

【次ページ】 沖縄インターハイは「和泉の大会」だった。

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