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ローマ、ミランにトルコ人が君臨!
進撃のウンデルとチャルハノール。
posted2018/03/06 16:30
![ローマ、ミランにトルコ人が君臨!進撃のウンデルとチャルハノール。<Number Web> photograph by Getty Images](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/c/2/1500wm/img_c22e620e7daf8ed0ca666dbd5f51c0ab152169.jpg)
世代別代表を経験してきたウンデルは'16年11月にA代表デビューも果たしている。佳境を迎えるCLでも台風の目になれるか。
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![弓削高志](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/f/0/-/img_f0322fcff461573562ec362ae5a289399973.jpg)
弓削高志Takashi Yuge
photograph by
Getty Images
突拍子もないことや予期せず起きてしまったことを伝えたいとき、イタリア語には「トルコ人の仕業だ(=fare cose turche)」という言い回しがある。
語源は、1453年のコンスタンティノープル陥落に遡るらしい。東ローマ帝国を滅ぼしたオスマン帝国は西欧世界にとって忌むべき脅威となり、“東方トルコの民侮りがたし”という教訓が生まれた。
晩冬のセリエAでも、トルコの若武者たちが来季のCL出場権争いを沸かせている。ローマのFWウンデルとミランMFチャルハノールだ。冬季休暇明けから、見違えるように躍動する彼ら2人は、上り調子でそれぞれのチームの攻撃を活性化させ、今やローマやミランの主力に成り上がった。
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昨年からトルコ代表監督を務める名将ルチェスクが彼らへかける期待もすこぶる大きい。
「ウンデルはシーズン当初の重圧を乗り越えた。気迫と獰猛さが加わったチャルハノールはゴール前で頼もしい」
この冬、ローマとミランの結果を伝える試合翌日の新聞紙面では、冒頭の言い回しが何度も使われた。
してやったり。伝統国に挑む若い2人は大きな手応えをつかんでいるはずだ。
ウンデルは6戦6得点1アシストと絶好調。
現在、セリエAの3位争いはローマ勢とインテルによる三つ巴の状態が続いている。
27節で首位ナポリとの大一番に挑んだローマは、敵地でまさかの4ゴールを上げる大勝を収め、頭1つ抜けだした。
先制したのはナポリだったが、わずか1分後に仕掛けたカウンターでFWウンデルは冷静に同点弾を奪い、逆転勝利の口火を切った。
独特の間合いがある。ドリブルを一気にトップスピードにのせ、右サイドから相手ゴールを陥れる。
直近のナポリ戦まで公式戦6試合で6得点&1アシストの大当たり。あどけない童顔の弱冠20歳ながら、指揮官ディフランチェスコも攻撃の起爆剤としての働きぶりを大いに称えているのだ。