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ローマ、ミランにトルコ人が君臨!
進撃のウンデルとチャルハノール。
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byGetty Images
posted2018/03/06 16:30
世代別代表を経験してきたウンデルは'16年11月にA代表デビューも果たしている。佳境を迎えるCLでも台風の目になれるか。
政界転身したハカン・シュクルが逮捕!?
セリエAでプレーしたトルコ人選手の源流は'50年代に遡る。
ガラタサライで長くエースを務め、トルコ代表歴代最多得点記録を持つ名FWハカン・シュクルは、2000~2002年にかけてインテルやパルマでもプレーした。
引退後、政界に転身した彼は反エルドアン派代議士として活動してきたが、'16年夏に起きたクーデター未遂事件関与の疑いで逮捕されるなど数奇な道を歩んでいる。トルコでは熱と闇が渾然一体となっている気がしてならない。
オリンピコ・スタジアムでの26節で、ミランはローマを相手に2-0で完勝を収めた。
セリエAで実現した“トルコ・ダービー”で、MFチャルハノールは気合の入ったプレーぶりで何度も完璧なクロスを放った。若いウンデルは不発に終わり、さすがに息切れしたかと思われたが、翌週にはナポリ相手に一撃を決めて心底驚かされた。
“トルコ人には用心せよ”。
数百年の時間が詰まった言い回しは本当だった。
ローマとラツィオ、インテルとミランにサンプドリアまで加わって大混戦になりそうなCL出場権争いを制するのは、オスマントルコの末裔たる若武者2人かもしれない。