畠山健介のHatake's roomBACK NUMBER
畠山健介からラグビー界への提言。
2019年は魔法が解ける“深夜12時”だ。
posted2018/02/01 10:30
text by
畠山健介Kensuke Hatakeyama
photograph by
Kiichi Matsumoto
2018年1月13日、秩父宮ラグビー場。シーズンチャンピオンを決める決勝が行われた。
昨季王者のサントリーサンゴリアスと、パナソニックワイルドナイツ。2年連続、同じ顔ぶれである。
昨年同様、いや、それ以上に両者一歩も引かない一進一退の攻防、素晴らしいパフォーマンス。「差」などない。どちらもスキルフルで、どちらもエキサイティングで、どちらもプロフェッショナル。
ただ、ほんの少し、ほんの僅かな「何か」がサントリー側に傾いた。それだけ。どちらが勝ってもおかしくない内容だった。それくらい決勝は素晴らしい戦いだった。
決勝だけではない。自分がプレーしているトップリーグのリーグ戦はもちろん、大学選手権も、花園も熱く素晴らしい試合ばかりだった。悪天候で観戦条件が厳しい試合も少なくなかったが、選手たちは必死に戦っていた。
選手だけでなく、コーチ、スタッフ、メディカル、そして家族、ファン、多くの人たちのサポートがあってこそ素晴らしい戦いが、ラグビーができる。ラグビーというスポーツは本当に素晴らしい。多くの仲間と戦い合い、支え合い、尊敬と喜びと感謝の気持ちを共有し、強い繋がり、関係性を築くことができる。
このフォーマットで誰が得をしたのだろう?
ジャパンラグビートップリーグ2017-18は、サントリーサンゴリアスの2連覇という形で幕を……閉じず、実は決勝翌日も順位決定戦が行われた。さらにそこから入れ替え戦が行われ、ようやくシーズンの幕が閉じた。
一体、このシーズンフォーマットで誰が得をしたのだろう?
決勝の後に順位決定戦や入れ替え戦をして、有益なものならばいいが、世界のどのラグビーリーグも採用していないフォーマットを採用して、一体誰が得をしているのか聞きたい。