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サンウルブズの主将は流大とブリッツ。
ジェイミーHCはなぜ2人制を採用?
posted2018/02/09 10:30
text by
大友信彦Nobuhiko Otomo
photograph by
Nobuhiko Otomo
大きな身体がリラックスして見えた。
やはり、自分の土俵は落ち着くんだろうな……。
1月29日、3年目のシーズンに向けて、大分県別府市で始動したサンウルブズの合宿を取材してジェイミー・ジョセフHCの姿を見た感想である。
日本代表のヘッドコーチでありながら、スーパーラグビーのサンウルブズでも指揮を執る。昨年、誰もやっていない激務の兼任を引き受けたジェイミーの決断に、少なくない人が「大丈夫か?」と心配した。どちらかひとつでも大変な忙しさだというのに、身体は持つのか……。
だが別府合宿取材では、ジェイミーは元気だな、リラックスしているな、と感じた。日本代表の合宿のときは、何というか、もっとピリピリしていた。
エディーと比較されるのは、正直やりにくいだろう。
ジェイミーは、ナショナルチームを率いるのは今回の日本代表が初めてだ。クラブレベルや地域代表レベルでどんなに輝かしい実績を積んでいても、代表チームには違う重みがある。テストマッチは特別なもの、ましてワールドカップは――。
選手であってもコーチであっても、ワールドカップを経験したあらゆるラグビーマンが口にする感想だ。それを知っているからこそ、ジェイミーは、日本代表を率いるときは緊張感をみなぎらせる。隙を見せない。危機感をあらわにする。
それはそうだろう。自分が率いる日本代表が結果を求められているのは、自国開催という特別なワールドカップだ。さらにいえば、前任者は日本代表を過去にない高みまで引き上げた世界の名将エディー・ジョーンズであり、次の赴任先イングランドでも勝ち続けている。前任者と比較されるのはあらゆる指揮官の宿命とはいえ、やりにくいのは正直なところだろう。
だがスーパーラグビーは、ジェイミーにとって戦い慣れたフィールドだ。