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畠山健介からラグビー界への提言。
2019年は魔法が解ける“深夜12時”だ。 

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畠山健介

畠山健介Kensuke Hatakeyama

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photograph byKiichi Matsumoto

posted2018/02/01 10:30

畠山健介からラグビー界への提言。2019年は魔法が解ける“深夜12時”だ。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

サントリーとパナソニックの決勝は最高の試合だった。それだけに広がりきらない現状がはがゆい。

ワールドカップをアマチュアの国が開催できるのか。

 イングランドのプレミアシップ、フランスのトップ14、南半球のスーパーラグビー、世界各国の(ラグビー)リーグではチャンピオンを決める決勝の後にこういった順位決定戦が行われているか?

 答えはノー。

 しかし、上記の海外リーグはすべてプロリーグ。一方、日本のトップリーグはプロではなく、アマチュア。そういったフォーマットで「構わない」「アマチュアのままでいい!」と皆が思うのであれば、僕も構わない。

 しかし、ラグビーワールドカップという「プロスポーツイベント」をアマチュアの国が開催していいのか? 開催できるのか? という疑問は晴れない。

 選手のパフォーマンスが向上し、限られたチームではあるが世界を意識したチーム運営を行っている中で、日本ラグビー界は果たして向上していると言えるのだろうか? ラグビーワールドカップを開催するにふさわしい組織になれているのだろうか?

入場者46万人のうち、何人がチケットを買ったか。

 シーズン終了後に、今シーズンの総入場者数が発表された。

 16チーム、リーグ戦104試合、順位決定戦16試合でトータル46万6446人。平均すると5688人。「平均」は1試合平均ではなく1開催平均だそうだ。

 アマチュアとはいえ、リーグ運営を行っている以上、数字は重要だ。

 しかし、この46万人の中で一体何人が自らチケットを「購入」して来場しているのか? 何人がチームや企業関係者からの「招待券」で来場しているのか、セグメントを分けて統計を取るべきだろう。

 トップリーグは年間の総入場者数の目標を50万人に設定していたが、自治体や企業に協力を仰ぎ、チケットを開催地の子供たちに配布し、社員を動員すれば、そこまで難しい達成数値ではないだろう。

 この50万人という目標が、どういった形でチケットを手にし、来場するかが重要なのであって、ただ数字を伸ばせばいいというものではない。プロスポーツの選手やチームの運営者は、ファンが支払うチケットやグッズなどの対価やスポンサー企業から得た資金から自分たちの報酬が支払われることを自覚している。

 だから感謝の意を込めて、ファンサービスをするし、スポンサー訪問をする。さらにはファンが試合を観に来るための環境を整えたり、スポンサー用のVIP席を用意したりなど、施策をあれこれ考えて実行している。

【次ページ】 企業におんぶに抱っこの状態を抜け出す必要がある。

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