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太田雄貴会長の大仕事、全日本選手権。
フェンシング大会でダンスにLED!? 

text by

太田雄貴

太田雄貴Yuki Ota

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photograph byYasunobu Seo

posted2018/01/24 08:00

太田雄貴会長の大仕事、全日本選手権。フェンシング大会でダンスにLED!?<Number Web> photograph by Yasunobu Seo

4年に1度オリンピックの時期にだけ見るスポーツ、という枠を超えてフェンシングが見られるようになるために。

決勝を1日にまとめることで、リソースも集中利用。

 お客様にはおそらく全くわからないところも含め、20個以上新しい取り組みを行ったのですが、中でも最も大きかったのは、冒頭に挙げた「決勝戦を12月10日に集約すること」でした。

 これまでは種目ごとの決勝が金、土、日と分散していたのを、個人戦男女3種目ずつの決勝6試合を日曜日に集中開催することにしました。そうすることで、観客が数多く集まるだろう日曜日に、協会スタッフや大会関係者の労力と情熱を集中することができたのです。

 もちろん前例のないことばかりですから、現場は本当に大変だったと思います。限られた時間、そして限られた予算。トラブルもいろいろありました。

 それでもいいアイデアが上がってくればなるべく採用し、追加の予算についてもある程度は見切り発車で通してしまい、あとから考える、というスタイルで、ひとつひとつ知恵を絞りながら仕上げていきました。

選手がMCになってラジオを流す、という発想。

 たとえば館内のラジオ導入。これは試合中、現役選手がMCとなって、目の前で繰り広げられている試合のポイントをわかりやすく解説する試みで、最初は同時通訳のシステムを使いたいと考えていました。

 でも、そのシステム導入には500万円ほどかかってしまい、予算を大幅にオーバーしてしまう。そこで館内にラジオで音声を飛ばすことにしたのですが、今度は電波法の関係で、資格を持つ人がいないと強い電波を飛ばせない……。

 最終的にはお客様に電池付きのコンパクトラジオを500円で買っていただいて、館内で聴けるギリギリの音質で電波を飛ばすことになりました。それでも「聴きとりにくい」といった苦情はありましたし、今回は「とにかくやってみた」というレベルだったかもしれません。

 ただ今回は「トライすること」が大事でした。完成形となるのはあるいは5年後かもしれませんが、少しずつ前進していけばいい。来年は電波の専門家をチームに加えて、より精度を上げたラジオ解説にしたいと考えています。

 ちなみに、日曜日の館内ラジオで解説を担当したのは試合に出場していた選手です。

【次ページ】 大会成功の「陰のMVP」は、男子フルーレの2人の選手。

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