太田雄貴のEnjoy FencingBACK NUMBER
太田雄貴会長の大仕事、全日本選手権。
フェンシング大会でダンスにLED!?
text by
太田雄貴Yuki Ota
photograph byYasunobu Seo
posted2018/01/24 08:00
4年に1度オリンピックの時期にだけ見るスポーツ、という枠を超えてフェンシングが見られるようになるために。
大会成功の「陰のMVP」は、男子フルーレの2人の選手。
選手には他にもいろいろな形で大会の盛り上げに力を貸してもらったのですが、ここでは「影のMVP」を紹介しておきたいと思います。
男子フルーレの村上仁紀(さとき)選手と、伊藤真選手です。
彼らが、サーブル、エペ、フルーレ3種目のスポーツプレゼンテーションをすべて演じてくれました。
大会の開幕2日前の12月5日、JISS(国立スポーツ科学センター)でテストをしてみたところ、2人がダンスも含めてこういったパフォーマンスがとても上手いことがわかりました。
そこで、こう持ちかけました。
「これは“たとえの話”として聞いてほしいんだけど、もし君たちが決勝に残らなかったら、決勝当日、プレゼンテーションをやってくれないか」──。
2人ともに即答というわけではなく、さまざま思うところはあったはずです。でも、最終的に引き受けてくれました。
光と音楽に合わせてのパフォーマンスは大変難しいのですが、その振り付けも自分たちである程度考えてくれて、決めポーズもパフォーマンスの演出を手がけたFISHBOYとも積極的にコミュニケーションをとりながら作りあげていました。
残念ながら2人とも決勝に残れなかったわけですが、そこからしっかり切り替えてくれて、土曜の夜は11時までリハーサルを行い、日曜の朝も9時から音合わせ。本番も開会式と各種目合わせて4回のパフォーマンスを完璧にやってくれました。
大変な負担だったと思いますが、2人の奮闘もあってプレゼンテーションは大成功だったと思います。
DJなど、プロの経験値には大いに頼る予定。
また、高円宮杯に続いてDJケチャップさんが担当してくれた場内MCも、会場全体のムードを盛り上げる大きな役割を果たしてくれました。NHKによる優勝インタビューを終えた選手と、観客席にいる家族とのやりとりをうまく導いてくれたり、アイドリングタイムに観客をノリノリの音楽で上手に煽ってあきさせないような工夫をしてくださったり。
実は彼とは2012年に開催されたイベント「Number DO EKIDEN(駅伝)」で知り合ったのですが、スポーツイベントのDJ、プロ野球をはじめとしたスタジアムDJの豊富な経験に基づくMCはさすがの一言。こういう部分はこれからもプロの経験値に大いに頼っていけたら、と考えています。