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ユース世代でFC東京U-18が快挙!
佐藤一樹監督、驚異のチーム管理術。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2017/12/16 08:00
高円宮杯U-18プレミアリーグ・イースト優勝で歓喜するFC東京の選手や関係者たち。極限のチームマネジメントが試された、稀有なチームでもある。
東京で夜まで試合をして、翌朝9時に群馬で試合!?
ほかにも、7月22日のJ3第18節のギラヴァンツ北九州戦(ホーム戦)のようなケースもあった。
彼らが戦っているのはプレミアリーグだけではない、夏の日本クラブユース選手権、秋から冬に掛けてのJユースカップと、気の抜けない試合が続く。そしてこの北九州戦の翌日、7月23日にU-18チームは日本クラブユース選手権初戦・町田ゼルビアユース戦を控えていた。
味の素フィールド西が丘で17時から行われた北九州戦では、U-23チームのスタメンにはU-18の選手(DF岡庭、坂口、草住晃之介、長谷川光基、MF久保、品田、小林幹、FW原)が8人も名を連ねていた。ベンチ入りも4人中2人がU-18の選手(GK高瀬和楠、MF平川)と、実に10人の選手が参加していたわけだ。
その時、佐藤監督と他の選手たちは群馬県にいた。
そのため、東京で北九州戦に出場していたメンバーは、試合が終わるとそのまま車で群馬に直行し、チームに合流した。
東京を出たのが、20時辺りでおそらく合流は22時辺りだったろう。しかも翌日の試合は朝の9時キックオフ……。
かなり厳しい状況だったはずだが、結果は4-2の勝利。苦しい状況下にもかかわらず、初戦を好発進したチームは、そのまま頂点に登り詰めた。
すべては緻密なマネジメントをやり続けた佐藤監督を筆頭にしたスタッフ陣と、それに真摯に応え、それぞれが成長しようとした選手達の強固な信頼関係が生み出した結果であった。
「しんどかったけど、選手達のおかげでここまできた」
今季のU-18チームにとって最後の戦いとなる、12月17日(日)13時キックオフの高円宮杯チャンピオンシップ(埼玉スタジアム)。
イーストの王者として臨むFC東京U-18は、ウエスト王者のヴィッセル神戸U-18と埼玉スタジアムで戦い、勝てば「ユース年代真の日本一」の称号を手に入れることになる。
「しんどかったけど、選手達のおかげでここまできた。一番凄いのは選手達ですよ。大人がいくら緻密なマネジメントしても、選手達がちゃんと応えてくれて、それ以上のパフォーマンスを見せてくれないと優勝というのは具現化できないから」(佐藤監督)