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セレッソでルヴァン杯制した尹晶煥。
“らしくない”異能の韓国人監督の実像。
text by

吉崎エイジーニョ“Eijinho”Yoshizaki
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/11/07 17:00

ルヴァンカップ優勝の瞬間、喜びを爆発させた尹晶煥監督。伝統あるチームの長い歴史年表に、輝く文字を刻むこととなった。
思い切ってルヴァンカップ用メンバーを外した決勝戦。
尹自身、決勝戦の前のある「決断」について「直前までかなり悩んだ」と話していた。
それを聞いた瞬間にこの話を思い出した。セレッソ大阪はシーズンを通じ、リーグ戦のレギュラークラスのメンバーとルヴァンカップ用メンバーを分けて戦ってきた。この決勝進出は、いわば“サブメンバー”が果たしたもの。尹は決勝にも彼らを出場させるべきか、本当に悩んだという。結果、クラブ初タイトルを狙うことを決断し、リーグ戦のメンバーをピッチに送り込んだ。尹が悩むというくらいだから、相当な決断だったのだろう。チームを決勝に導いたメンバーにも拍手を。その点を忘れてはならない初優勝だった。
あるいは、決勝戦のピッチ上の戦いでも、思ったよりもポゼッションができないと見るや、割り切って守備をする決断を下した。そこは彼が唯一認める、“韓国人らしさ”の現れだったか。
