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凱旋門賞で包囲されたマカヒキ。
マーク集中を防ぐ“日本化”が必要?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2016/10/03 11:20
今年の凱旋門賞は、珍しく4歳馬が上位を独占した。来年もシャンティー競馬場で開催予定で、マカヒキ世代には大きなチャンスが残った。
日本馬が1頭だけだと、マークが集中する。
今回の敗因は、この日のゲートからゴールまでの間だけにあったわけではない。
確かに、スタートしてすぐ内に誘導できていれば、とか、道中で前に馬を置くことができれば……といった「タラレバ」を言いたくなるが、「チーム・ジャパン」で戦うことができていれば、敵方の包囲網を打ち破ることができたかもしれない。要は、1頭だけではなく、敵がマークしなければならない日本馬が複数いれば、オルフェーヴルが2着、キズナが4着になった2013年のように、違った戦い方ができたはずだ。
筆者は何度も繰り返しているのだが、コース上にいる日本の人馬を少しでも多くして、凱旋門賞の舞台を日本化することが悲願達成への近道だと思っている。別に、日本馬でチームとしての戦術をとらなくても、複数いるというだけで力になる。
'11年のドバイワールドカップなどは、勝ったヴィクトワールピサ、2着のトランセンド、8着のブエナビスタとタイプの異なる最強馬が3頭いたため、どんな展開になっても、どれかには有利に働くだろうとレース前から予想されており、他国にとっての脅威となっていた。
ヨーロッパ調教馬以外は勝ったことがない「超アウェー」の凱旋門賞を、少しでもホームでの戦いに近づけるには、それしかないとは言わないが、ひとつの有用な方法であることは確かだろう。
凱旋門賞には珍しく、3歳馬が振るわない年だった。
優勝したファウンドは、これで通算19戦6勝。前走までGIで5戦連続2着となかなか勝ち切れなかったが、'14年マルセルブサック賞、'15年ブリーダーズカップターフに次ぐGI3勝目を挙げた。エイダン・オブライエン調教師は'07年ディラントーマスに次ぐ凱旋門賞2勝目、ムーアは'10年ワークフォースに次ぐ同2勝目となった。
勝ちタイムの2分23秒61はコースレコード。マカヒキと人気を分け合ったポストポンドは5着。斤量的に有利な3歳馬で最先着したのは8着のサヴォワヴィーヴルだった。
マカヒキの次走は未定とのこと。