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凱旋門賞で包囲されたマカヒキ。
マーク集中を防ぐ“日本化”が必要?
posted2016/10/03 11:20
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
またも悲願達成はならなかった。
10月2日、日曜日の日本時間23時5分(現地時間16時5分)に行われた第95回凱旋門賞(仏シャンティー芝2400m、3歳以上GI、1着賞金285万7000ユーロ=約3億2570万円)を制したのは、ライアン・ムーアが騎乗したファウンド(牝4歳、父ガリレオ、愛オブライエン厩舎)だった。日本馬としてただ1頭参戦したマカヒキ(牡3歳、父ディープインパクト、栗東・友道康夫厩舎)は、16頭立ての14着に沈んだ。
マカヒキは速いスタートを切るも、勝ち馬と同じオブライエン厩舎のハイランドリール(2着)に外に張り出される格好になり、内にもぐり込むことができなかった。さらに外には、これもオブライエン厩舎のオーダーオブセントジョージ(3着)がポツンといて、やや後ろの内埒沿いにはファウンドがいた。チームオーダーだったかどうかはわからないが、マカヒキは「チーム・オブライエン」の3頭に包囲される形になった。
またマカヒキは、ある程度ポジションをとりに行って勢いがついてしまい、さらに、前に壁をつくれなかったため、キャリアで初めて引っ掛かってしまった。
それでも、3、4コーナー中間で、ポストポンドをマークしながら押し上げたときの手応えは、「ひょっとしたら」と期待させるものだった。しかし、直線ではまったく伸びず、ファウンドから20馬身以上離れた14着に終わった。
騎乗したクリストフ・ルメールは、「リラックスして走れなかった。スタートしてすぐオーバーペースになり、最後は疲れてしまった」とコメントした。
フランス人のルメールにとってはホームだったが……。
1着から3着までがオブライエン勢で、3頭とも父がガリレオ(ガリレオ産駒はこれが凱旋門賞初勝利)で、オーナーはクールモアの関係者。チームの勝利であった。
フランス人のルメールにとって、凱旋門賞はホームでの戦いに違いないのだが、周りがすべて味方だったわけではない。チーム・オブライエンの、イギリス、アイルランドをベースとする人馬に、美味しいところを持って行かれる結果になった。