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ホンダ・中上貴晶が今季初の表彰台。
MotoGPシート獲得への条件とは?
posted2016/06/11 11:00
![ホンダ・中上貴晶が今季初の表彰台。MotoGPシート獲得への条件とは?<Number Web> photograph by Satoshi Endo](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/5/9/1500wm/img_5994597f30069a059ad9ef8fa3a4c2d2230181.jpg)
3位入賞によって、中上は全35ライダーのうちで今季ランキングが7位に上昇(6月6日現在)。
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![遠藤智](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/2/5/90/img_25f715b0e9f2f93a75ee22f4c462155e7579.jpg)
遠藤智Satoshi Endo
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Satoshi Endo
ロードレース世界選手権・Moto2クラスに出場する中上貴晶が、第7戦カタルーニャGPで3位になり、今季初表彰台に立った。昨年のサンマリノGP以来、12戦ぶりのことだった。
今年は開幕前のウインターテストから好調で、今シーズンの目標は、「Moto2クラス卒業」というものだった。卒業というのは、最高峰クラスのMotoGPクラスに参戦するということを意味する。そのためには、最低でもチャンピオン争いをしなければならない。そして、中上のグランプリ参戦をバックアップしているホンダの「ゴーサイン」が必要となる。
今年は7戦を終えて総合7位。チャンピオン争いに加わるには、これから表彰台に立ち続けなければならないし、念願の初優勝を達成し、いくつもの勝利を重ねなければならない。と考えれば、来季のMotoGP参戦の可能性はゼロではないが、相当ハードルの高い戦いが待ち受けることになる。
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所属するチームは「IDEMITSU HONDA TEAM ASIA」。
ホンダがアジアのライダーを世界に送り出すために作ったチームで、現在、Moto2クラスに2人。Moto3クラスには、「Honda Team Asia」というチーム名で2名の選手が参加している。中上は、ホンダのTeam Asia構想の中心的存在で、日本のエースでもある。
地位を脅かすライバルは原動力となるが……。
Moto2クラスは、ホンダCBR600RRのエンジンをチューニングした同一エンジンを搭載するカテゴリー。予選では、PPから1秒以内に20人前後がひしめきあう厳しいクラスである。
Moto2クラスでチャンピオン争いが出来れば、MotoGPクラスでも十分に通用する。その厳しい戦いの中で中上は、スピードという点では、トップクラスにいる。
スピードだけなら十分にチャンピオンを狙える中上だが、天候やコンディションの変化に影響を受けやすく、いつでもどこでも速いという選手ではない。それがこの数年の課題でもあった。
そして、中上にもっとも必要なことは、「何が何でも勝つ」という強い気持ちだろうと思う。