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15歳以下のゾーンディフェンス禁止!
日本バスケット界、強化へ荒療治。
posted2015/06/07 11:00
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
昨年11月、国際バスケットボール連盟(FIBA)から資格停止処分を受けた日本バスケットボール協会。国際試合出場も認められなくなったが、以来、「タスクフォース」というチームが設立され、改革へと動いてきた。
FIBAから問題視されていた2リーグ存在状態の統一も実現へと進んでいる。
6月2日の会議では、日本のバスケットボール強化の最終提案がまとめられた。その中で、興味深い項目がある。ミニバスケットボールを含め、15歳以下でのゾーンディフェンス禁止である。
これはどういうことか。
ゾーンとマンツーマンには双方にメリットがあるが……。
まず前提として、バスケットボールのディフェンスの仕方は、単純化するとマンツーマンディフェンスとゾーンディフェンスとに分けられる。
マンツーマンディフェンスは、例えば「Aという選手は自分がマークする」という風に、特定の選手を1対1でマークして守ることだ。
対するゾーンディフェンスは、特定の選手をマークするのではなく、各選手が守備をするゾーンを分け、そのエリアを各選手が担当する。相手の選手が誰であれ、自分の受け持つゾーンに入ってきた選手をマークすることになる。
それぞれにメリットとデメリットがある。マンツーマンの場合、比較的簡単に選手が守り方を理解しやすく、相手選手個人の特徴に合わせてマークする選手を決めることができる。ただ、基本は「1対1」のディフェンスになるため、相手チームの選手の能力が高いと守りきれない。
ゾーンディフェンスの場合、個々で劣っても組織として守り抜く余地が出てくる一方で、複数の選手のゾーンの中間に相手選手が侵入してきた場合、どちらがマークするのかあいまいになることがある。