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15歳以下のゾーンディフェンス禁止!
日本バスケット界、強化へ荒療治。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAFLO
posted2015/06/07 11:00
現在中学校などでは半分以上の学校がゾーンディフェンスを使っているといい、混乱は確実。かつて禁止されていたNBAでは現在は解禁されるなど、世界の流れはどちらへ向かうのだろうか。
現場の混乱は必至だが、改革の契機としてほしい。
しかしながら、組織力を武器に勝利したケースをよくよく調べてみると、そのチームは選手個々のレベルを引き上げることも怠っていなかったことが分かる。組織力と個人の力、両方が揃わなければ格上の相手に勝利することはできない。
先の指導者が言った「安易さ」の意味するところは、ゾーンディフェンスにこだわり、それがために選手個々の能力を伸ばす努力が軽視されがちだということだろう。最後は組織力で戦わなければいけないにしろ、その前提として個人の能力は必ず必要なのだ。
そういう意味では、今回のゾーンディフェンス禁止は、現場での混乱も引き起こしかねない荒療治であり、警鐘でもある。
そしてバスケットボールにかかわっている指導者をはじめとする関係者にとって、今後の指導方針を問い直すきっかけであり、改革を進めていく機会でもある。