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なぜ岡崎は課題ばかり口にするのか。
「ハングリー」と「しつこさ」の関係。 

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2015/01/23 10:40

なぜ岡崎は課題ばかり口にするのか。「ハングリー」と「しつこさ」の関係。<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

ブンデスリーガの得点ランキングで岡崎慎司よりも上にいるのは、マイアー、ロッベン、チョウポ・モティンクの3人のみ。レバンドフスキよりも、ミュラーよりも、フンテラールよりも上なのだ。

評価が上がっても、なぜ課題ばかりを口にするのか。

 イングランドのクラブが岡崎に興味を示しているとたびたび噂に上がるのも、2年続けて活躍している姿を見て、その実力がフロックではないと目利きたちが評価するようになったからに他ならない。

 そうやって評価されているのにもかかわらず、なぜ岡崎は課題ばかりを口にするのだろうか。

「やっぱり、欲が出るんですよね」

 この欲こそが、彼をハングリーにさせてくれているのだ。

 前のシーズンを上回るペースでゴールを重ねたとしても、それは同じことの繰り返しではないかと疑ってかかる。結果を残せたのなら、結果を残す方法そのものに改善の余地があるのではないかと自問自答する。

 そんな岡崎だからこそ、前回大会のチャンピオンとして臨む今回のアジアカップでも、優勝したいです、などと言って満足することはない。

「親善試合とかは、個人のアピールの方が強い。チームの成熟度を上げていくには、こういう大会を通じて成長していくしかないと僕は思うので。今後も、接戦になりそうな試合がいっぱいあると思う。そういう試合を経験することによって成長して、優勝にもたどりつくのかなと思う」

「僕自身は常に考えてきたから」

 岡崎は、アギーレ監督が選手たちに求めるものをこんな風に感じている。

「ハセさん(長谷部)もよく言っているけど、監督がチームに自主的に考えさせようと意図しているところは感じます。だから、『こうしちゃいけない』とは言わないし、逆に『自分たちで判断しろ』と投げかけられることがある。監督は、そうやって僕らを精神的に強くさせようとしているのはあるかな」

 そして、そんな監督の「考えろ」という要求に対して、岡崎は力をこめてこう話す。

「僕自身は常に考えてきたから、今までと変わらずに、チームのために自分が信じたことをやるだけだと思います。それはチームのために戦うということもそうですけど、自分としては最後のところで決めきるんだという気持ちを、また強く持ちたいなと思ってやっている」

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