サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
福西崇史が見る、UAE戦での課題。
「選手を入れ替える勇気を持てるか」
posted2015/01/23 11:25
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Takuya Sugiyama
横綱相撲。
アジアカップ、グループリーグで見せた日本代表の戦いぶりを一言で表現すれば、この言葉がふさわしいだろう。'07年の同大会覇者のイラク、ブラジルW杯アジア最終予選では敗戦を喫したヨルダンに対してスキを見せず、3連勝でグループリーグ突破を決めた。
スキのない試合運びに、ゲームの流れを相手に渡さないアギーレ監督の采配、代表では久々となるゴールを決めた香川真司……。この3試合で見せた日本代表の新たな一面や成長を、現地で解説を務める福西崇史氏に聞いた。
――日本代表は20日のヨルダン戦を2-0で勝ち切り、グループリーグ3戦全勝でD組1位通過を決めました。この3試合で7得点、そして無失点と危なげない戦いぶり。福西さんの目にはグループリーグの戦いぶりはどう映りましたか?
福西:相手との力の差はあったとはいえ、素晴らしい出来だったと思う。まずパレスチナ戦は大会初戦ということで、プレーに固さが出そうなところでも好スタートを切った。そして2戦目はパレスチナと比べたら力のあるイラクだったわけだけど、しっかりと戦う姿勢、まとまりが見られた。この時点で「チームが良くなってきているな」という印象は受けたよ。
現時点では結果と内容、どちらも出ているといえる。
―― ヨルダン戦は「引き分け以上でも1位通過」だった一方で、負ければグループリーグ敗退、というケースもありました。
福西:前の2試合以上に結果が求められるところで、しっかりと結果を残した。なおかつヨルダンに対して何もさせない内容だった。アジアカップを勝ち上がると同時に、この大会を通じてチームが成長していくことも大事なんだけど、ここまでは両方ともうまくいっているなと感じる。
――結果と内容どちらも出ているというのは、ポジティブな側面ですね。
福西:「この試合、もしくはこの時間帯は内容的に乏しかったな……」ということはよくあることだけど、グループリーグの3試合でそういった場面はほとんどなかった。意識と集中力がとても高いから、自分たちのペースで試合を運べている。