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W杯優勝国は「すでに決まっている」!
大陸王者を阻む、第3の法則とは。 

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北條聡

北條聡Satoshi Hojo

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posted2014/05/20 10:30

W杯優勝国は「すでに決まっている」!大陸王者を阻む、第3の法則とは。<Number Web> photograph by Getty Images

スペイン代表のパスサッカーの母体であるバルセロナも、最近では往年の強さが影を潜めている。「法則」に従えば彼らのW杯での戴冠はありえないが……。

欧州王者の中には「ダブルパンチ」の国々も。

 ちなみに、我が日本もアジアにおける立派な「現役王者」だが、ヨーロッパと南米以外の大陸からワールドカップの覇者は誕生していないから、あらためて歴史を掘り起こすまでもない。要注目はEUROである。果たして、歴代王者のワールドカップにおける運命とは――。

【EURO:歴代王者】
1960年:ソビエト           → ベスト8(1962年チリ大会)
1964年:スペイン         → グループステージ敗退(1966年イングランド大会)
1968年:イタリア          → 準優勝(1970年メキシコ大会)
1972年:西ドイツ(※)      → 優勝(1974年西ドイツ大会)
1976年:チェコスロバキア → 予選敗退(1978年アルゼンチン大会)
1980年:西ドイツ         → 準優勝(1982年スペイン大会)
1984年:フランス         → 3位(1986年メキシコ大会)
1988年:オランダ        → ベスト16(1990年イタリア大会)
1992年:デンマーク      → 予選敗退(1994年アメリカ大会)
1996年:ドイツ           → ベスト8(1998年フランス大会)
2000年:フランス         → グループステージ敗退(2002年日韓大会)
2004年:ギリシャ         → 予選敗退(2006年ドイツ大会)
2008年:スペイン(※)     → 優勝(2010年南アフリカ大会)

 南米王者よりはマシだが、ほぼ「全滅」と言っていい。優勝どころか、ヨーロッパ予選で不覚を取り、本大会に出場できなかったケースが三度もある。ちなみに1982年大会で準優勝した西ドイツは例のルムメニゲを擁する「ヨーロッパの帝王×2」であり、肝心の主砲ルムメニゲが実は『バロンドールの呪い』(法則1)にかかっていた。

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 同じように1986年のフランス、1990年のオランダもタブーの「ダブル」パンチを食らっている。最高の選手と最強国の看板。本来なら二重のアドバンテージを手にしているはずだが、この仕打ち。限定された地域(大陸)の「ローカル」チャンプなんぞに「グローバル」チャンプを名乗られてたまるか!――ということ(にしておこう)。

【次ページ】 '74年ドイツと'10年スペイン、2つの例外は?

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