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W杯優勝国は「すでに決まっている」!
大陸王者を阻む、第3の法則とは。
text by
北條聡Satoshi Hojo
photograph byGetty Images
posted2014/05/20 10:30
スペイン代表のパスサッカーの母体であるバルセロナも、最近では往年の強さが影を潜めている。「法則」に従えば彼らのW杯での戴冠はありえないが……。
見事なまでに全滅してきた歴代南米王者たち。
EUROやコパ・アメリカの覇者ともなれば、本大会で優勝候補の最右翼に推されやすい。その大陸最強国が敗れてしまうのである。次のリストを見てもらいたい。(開催されず、とあるところは前回大陸王者の成績を引き続き記しました)
【コパ・アメリカ:歴代王者】
1929年:アルゼンチン → 準優勝(1930年ウルグアイ大会)
開催されず → ベスト16(1934年イタリア大会)
1937年:アルゼンチン → 出場辞退(1938年フランス大会)
1949年:ブラジル → 準優勝(1950年ブラジル大会)
1953年:パラグアイ → 予選敗退(1954年スイス大会)
1957年:アルゼンチン → グループステージ敗退(1958年スウェーデン大会)
1959年:ウルグアイ → グループステージ敗退(1962年チリ大会)
1963年:ボリビア → 予選敗退(1966年イングランド大会)
1967年:ウルグアイ → ベスト4(1970年メキシコ大会)
開催されず → グループステージ敗退(1974年西ドイツ大会)
1975年:ペルー → 2次リーグ敗退(1978年アルゼンチン大会)
1979年:パラグアイ → 予選敗退(1982年スペイン大会)
1983年:ウルグアイ → ベスト16(1986年メキシコ大会)
1989年:ブラジル → ベスト16(1990年イタリア大会)
1993年:アルゼンチン → ベスト16(1994年アメリカ大会)
1997年:ブラジル → 準優勝(1998年フランス大会)
2001年:コロンビア → 予選敗退(2002年日韓大会)
2004年:ブラジル → ベスト8(2006年ドイツ大会)
2007年:ブラジル → ベスト8(2010年南アフリカ大会)
まずは歴史の古いコパ・アメリカの歴代王者のうち「現役」としてワールドカップの本大会に臨んだ優勝国をまとめてみた。見事なまでに「全滅」である。ファイナルへ駒を進めたのも、わずか3回に過ぎない。
かつてサッカー王国ブラジルがこの大会で好成績を収めることにあまり熱心ではなかったという説もあるが、自国開催の1950年大会には現役王者として本命視されながらも一敗地にまみれている。大陸最強の王冠は「禁断の果実」というわけだ。そうなると?
2011年:コパ・アメリカ優勝ウルグアイ → 「アウト!」
そうなっちゃいますね。ルール破りの常習犯にして、欲しいお宝は必ずいただく「怪盗」ルイス・スアレスをもってしても厳格な『法』の目をかいくぐるのは難しそうだ。英雄ディエゴ・フォルランがせっかく日本に来てくれたというのに何とも申し訳ない結論である。