ひとりFBI ~Football Bureau of Investigation~BACK NUMBER
W杯優勝国は「すでに決まっている」!
大陸王者を阻む、第3の法則とは。
posted2014/05/20 10:30
text by
北條聡Satoshi Hojo
photograph by
Getty Images
ヨーロッパの帝王――そう聞いて「オットー・ワンツ!」と即答してしまうアナタは筋金入りのプロレスファンだろうが、サッカーの話である。ならば「カールハインツ・ルムメニゲね」とニンマリする人は四十代の後半以上が確定的か。
人のことではない。ヨーロッパの現役王者スペインのことである。前々回から始まった『6話完結』シリーズの第3話、今夏のブラジル・ワールドカップで連覇を狙うスペインにご登場願った。で、その前に恒例の(?)<前回までのあらすじ>から。
【前回までのあらすじ】
実は……ワールドカップには優勝国を定める『法』がある。
その法に照らせば、今夏のブラジル大会を制する国が見えてくる。
法則1 『バロンドールの呪い』(=前年度の受賞者は翌年の大会で優勝を逃す)
→ C・ロナウド擁するポルトガルが、消える
法則2 『外国人監督の悪夢』(=他国の指導者が率いる国は優勝できない)
→ 日本を含めた14カ国が、消える
前回の項で我らが日本をあっさり「消して」しまったが、もう仕方がない。上記2つの法則は歴史上、ただの一つも「例外がない」のである。というわけで先を急ぎたい。今回、なぜヨーロッパの最強国について触れなければならないのか――。それを『第3の法則』が望んでいるからだ。ぶっちゃけてしまえば、こういうことである。
【法則3 現役「大陸王者」のタブー】
そんなバカな話が……「ある」というお話だ。大陸王者とはヨーロッパ最強国を決めるEUROのほか、南米最強決定戦のコパ・アメリカやアジアカップなどの各大陸選手権を制したチャンピオンである。その中でも最新の看板を引っ提げてワールドカップの本大会に乗り込む「現役王者」が次々と倒れてきたのだ。