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内田、長谷部、清武、大迫……。
日本人ブンデスリーガー、W杯を語る。
posted2014/05/19 10:50
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
AFLO
Number Webのリニューアルを記念して、1号分を無料公開します!
今回は「ミムラユウスケのブンデス日本人戦記」。W杯日本代表発表を
直前に控えたタイミングでの、日本人ブンデスリーガの貴重な肉声を
お届けした5月16日配信分です。ぜひお楽しみください。
メルマガ読者の皆さん、こんにちは。
5月12日、アルベルト・ザッケローニ監督はFIFAワールドカップ・ブラジル大会に臨む23人を発表しました。そのメンバーの中には内田篤人、酒井宏樹、酒井高徳、長谷部誠、岡崎慎司、清武弘嗣、大迫勇也とドイツの地で戦う男達が多く名を連ねました。
今回はその中からブンデスリーガ最終節、シャルケvs.ニュルンベルク後の清武、内田、長谷部に、1860ミュンヘンの大迫にそれぞれ直撃。シーズンの総括、そして代表メンバー発表直前の心境を余すことなく収録しています。
長谷部との取材のやり取りでミムラさんが得た“ある所感”などを掲載した「ミムラのブンデス取材日記」、「カメラマン・千葉格の『Photographer Diary』」などとともにお楽しみください。
それでは、今号のメルマガもキックオフです!(編集担当・S)
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【1】~ブンデスリーガ最終節/シャルケvs.ニュルンベルク(1)~
清武弘嗣「この悔しい思いを来シーズンにぶつけていきたい」
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ニュルンベルクはシャルケに乗り込んでのアウェーゲーム。長谷部は怪我明けながら先発でフル出場。清武はベンチ入りしたものの、今シーズン初めて出場機会がなかった。内田はスタンドから観戦した。
この時点で17位だったニュルンベルクは、勝たないと入れ替え戦にもいけない状態だったが、DFラインの3選手が出場停止であることに加えて、キャプテンのGKシェーファーも怪我して欠場という苦しい台所事情。序盤からシャルケの攻撃を受ける形になった。
6分、シャルケの最初のCKでマティプが頭でたたき込んでシャルケが先制する。
それでもニュルンベルクは33分にカウンターのチャンスを迎えた。長谷部が中央をドリブルで運び、中央には味方3人が待っていたが、相手DFがいたため右へと展開。これを受けた右サイドバックのアンガが中に切れ込んでシュートを打つもバーの上を越えた。結果として長谷部の判断はミスとなった。
ただ、長谷部は試合中に派手なアクションで味方を鼓舞したり、相手よりの判定が下されると審判に抗議にいくなど、気持ちを前面に出してプレーしていた。
だが長谷部の奮闘も実らず、45分にカウンターからシャルケのノイシュタッターが蹴り込み、0-2となってハーフタイムを迎える。
後半に入ってもニュルンベルクの攻撃のペースは上がらないままだった。
50分、ニュルンベルクのビルドアップの際に長谷部が中盤の底に降りて、味方に展開しようとした際にパスミスする。そこからシャルケはカウンターを浴びせ、マイヤーがエリア内で決定的なシュートを放ったがポストに直撃した。パスミスが目立ってしまうことになった長谷部だが、これはチーム全体でパスを受けたがらない選手が多かったためだ。それでもめげずに中盤の底に下がってはパスをさばき続けていた。実際、チーム最多となる70回のボールタッチを記録している。
ニュルンベルクはその後も怪我人が出てメンバー交代を余儀なくされる状況で、劣勢は覆せない。75分にはドラクスラーのミドルシュートが決まって、決定的な3失点目を喫した。
後半ロスタイムにカウンターからニュルンベルクのドルミッチが一矢報いるゴールを奪ったが、その直後にオバシに決められて、1-4で試合に敗れてしまった。
長谷部は試合終了後すぐに相手チームの選手に握手にいったあと、しばらく呆然と立ちすくみ、右足のスパイクだけすぐに脱いでいた。清武もベンチから出てきて、ニュルンベルクの選手たちはスタンドのファンにあいさつをして、ロッカーに戻った。
最初にMIXゾーンに姿を現したのは清武。試合に出られなかったこともあって、淡々と取材に答えていった。