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国内組オンリーで挑む東アジアカップ。
新戦力は“カンフル剤”以上となるか。
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph byTakuya Sugiyama
posted2013/07/16 13:25
「能力を把握しているメンバーより、Jリーグで成長していて手元で見てみたい選手を中心に選ぶことにした」と語ったザッケローニ監督。常連組Jリーガーの招集も今回は見送られた。
15日、東アジアカップに臨む日本代表メンバーの発表を受け、アルベルト・ザッケローニ率いる日本代表はいよいよ4年体制の“最終局面”に突入する。指揮官は言った。
「今後はW杯に向けて最良の準備をしなければならない。東アジアカップの3試合を含めて、我々は今後10試合をそのために戦うことができる」
W杯本大会までの残り1年は、過去3年で作り上げたチームを“W杯仕様”に仕上げるため、あるいはコンフェデレーションズカップで体感した世界トップレベルとの差を詰めるための大切な時間だ。20日に開幕する東アジアカップは、指揮官が言う「最良の準備」のファーストステップである。残り10試合という限られた調整機会のうち3試合を費すこの大会をどう戦うかは、1年後の成果を占う上で非常に大きな意味を持つ。
選ばれた23人で見えてくる、ザックジャパンの弱点とは?
中国、オーストラリア、韓国を相手とするこの重要な3試合に向けて、指揮官はついに新戦力の発掘に乗り出した。
7人の初招集選手を含め、メンバーのほとんどがザックジャパンの“非常連”であるフレッシュな顔ぶれは、今となっては珍しいオール国内組での構成。東アジアカップは国際Aマッチではないので各クラブに対する拘束力はない。従って海外組がメンバーから外れるのも当然のことだが、何しろこれまで頑なに約14、5人の“スモールチーム”を動かしてきた指揮官のことである。リストに並んだ顔ぶれが新鮮に映るのも無理はない。
その顔ぶれを見ると、これまで作り上げてきた“スモールチーム”の補強ポイントが見えてくる。
まずは、今野泰幸と吉田麻也が不動の地位を築くセンターバック。
ここには“第3の男”として準レギュラーの座にあった栗原勇蔵を筆頭に、森重真人、鈴木大輔、千葉和彦、森脇良太、槙野智章の5人が招集された。栗原とともに常連組の一人と言える伊野波雅彦は、ケガの影響で招集が見送られている。