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古川橋発、吉原経由、夢の島まで。
明治通りは「祈りの環状線」だった。 

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疋田智

疋田智Satoshi Hikita

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photograph bySatoshi Hikita

posted2010/07/18 08:00

古川橋発、吉原経由、夢の島まで。明治通りは「祈りの環状線」だった。<Number Web> photograph by Satoshi Hikita

スタートは白金でござーます♪

 今回の自転車はジャイアント(台湾)のクロスバイク・エスケープアライアンス。ロードバイク並みのスピードが出る街乗り自転車だ。

 古川橋の交差点を背にして、まずは渋谷川沿いを北上しよう。このあたり、住所でいうなら「白金」「南麻布」と、これはもう、あらまぁ、おほほほ、と、セレブなイメージのお場所なんでござーますのですけど、かつては板金や金属加工、螺旋加工の工場が軒を連ねる場所だったそうだ。今となってはちょっと信じがたいんざますけれど。

 でも、その名残は確かにこの明治通りにはちらほらある。金属加工、板金問屋とかね。特に明治通り沿いの首都高・目黒線の高架下には、今も現役で結構残っていたりする。

 これには理由があって、戦後間もない時期、進駐軍の不良軍人(?)たちは、六本木や麻布近辺(つまりこの辺だ)に住み、遊び、アメ車を乗り回していた。

 クルマが壊れると修理し、帰国する際に中古として売り払ったりしたわけだが、その際、彼らのお役に立った工場やディーラーが、この麻布近辺に多数あったというのだね。

 そういう時代の匂いは、確かにこの明治通りに残っている。古川橋から、麻布、白金、広尾と続くこの周囲がどこかバタ臭く、メリケンな感じがするのは、そのあたりが理由だ。

 で、その広尾(ここはまたホントに西洋人密度が高い)を過ぎ、恵比寿を横目に行きすぎると、もう渋谷だ。自転車だと早いな。

 いやー、渋谷。都内屈指の若者の街っす。やばいっす。自転車でマジ走りにくいっす。

 やはり昨今のブームゆえか、自転車に乗る若者が多いのはいいんだけど、クルマが多すぎること、車道の棲み分けがデタラメすぎること、そして、駅前の人混みがスゴすぎること、の三重苦で、特にこの「渋谷駅前・明治通り」は、都内でも屈指の最悪エリアfor自転車! となっている。

 とっとと通りすぎるに限る。すまん、渋谷。で、通り過ぎた。北に行くと、原宿。そこにあったのが東郷神社だ。

東郷神社裏に、おや、老舗の……。

 東郷神社といえば、日本海海戦で有名な東郷平八郎元帥を祀った神社で、御祭神はもちろん「東郷平八郎命」。きちんと命(みこと)がついているのが味わい深い。

 ちょっと自転車を降りて、この東郷神社を取り巻く静謐なエリアを歩いてみる。神社裏にいくと、おや、なにやらキリスト教系の建物のような……、でも、どこか違う、妙に豪華な建物があるな。

 回り込んでみる。と、おー、正体判明。ここは老舗の新興宗教(ちょっとヘンな言い方)「生長の家」の本部なのだ。創始者が有名な谷口雅春で、公称信者数が200万人以上。

 神道、仏教、キリスト教、また大本教や天理教などの諸宗教、諸宗派はその根本においては一致するという「万教帰一」の立場に立つそうだ。すべての宗教、根は同じ。ふーむ、だからこそ、キリスト教っぽい意匠で、なおかつ、この立地なのだろうかね。

 かつては「愛国宗教」と呼ばれた時代もあったという。そういう意味で東郷神社と相性がいいのかも知れない。

【次ページ】 新宿代表は「花園神社」。商売繁盛からヒット祈願まで。

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