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香川、清武、乾の“トリオ”に続け!
柿谷曜一朗、代表入りの日を考える。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byNIKKAN SPORTS/AFLO
posted2013/03/05 10:31
森島、香川、清武が背負った「8」を今季から受け継いだ柿谷。Jリーグ開幕戦では、新潟相手に0-0で迎えた後半43分に値千金の決勝ゴールを決めた。
柿谷を「結果」へと向かわせるクルピ監督の存在。
柿谷の口から幾度も飛び出してきた「結果」という言葉。
昨年、彼に変化を感じ取ったのはゴールへの執着だった。こぼれ球にも猛然と食らいついてシュートを積極的に狙っていく姿は、かつてのイメージとはだいぶかけ離れていた。結果イコール、ゴールだった。
その背景には徳島での経験もあるが、やはりクルピの存在を無視することはできない。昨年8月、監督に復帰したクルピからはこれまで以上に、日々“結果”を求められてきている。
柿谷は明かす。
「レヴィーは練習でゴールしたり、調子のいい選手を見抜いてすぐに使っていく人。年齢とかキャリアとかは全然関係ない。練習でシュートを多く打った人が試合に出るとか、そういうところでも結果というのを重視する。僕なんかはいつも見られて、いつも怒られてるほうなんで、そういう危機感はありますよ。
2列目の層は厚いし、油断していたらベンチにも入られへんようになると思う。そうならないように練習から、ゴールしたりっていうのはやっていかないといけない。今年はもっと結果にこだわるという点でもレヴィーから評価を受けたいですね。点を獲ってこそ、監督に評価されるんで」
7月の「東アジアカップ」では新メンバー招集の公算が高い。
迷惑をかけながらも、厳しく温かく見守ってくれてきた指揮官に必ずや認めさせたいという思いが、今季からセレッソのエース番号「8」を背負う柿谷からはヒシヒシと伝わってくるのだ。
シーズン開幕直後に、柿谷の代表入りの可能性についてここでとやかく言うのは早すぎる。それを承知のうえで言わせてもらえば、この柿谷、「結果」を出していけば夏にサムライブルーのユニホームに袖を通すことは十分に可能だと踏んでいる。
というのも今年はコンフェデレーションズカップ後の7月、韓国で開催される「東アジアカップ(旧・東アジアサッカー選手権)」が控えている。欧州組の拘束が難しいため国内組メンバー中心の構成と見られており、そうなれば新たなメンバーが呼ばれる公算は高い。
ブラジルW杯アジア地区最終予選の突破を決めれば、メンバーをある程度固定して戦ってきたアルベルト・ザッケロー二も本大会を見据えて、おそらく新しいメンバーをテストしてくるはず。Jリーグで調子のいい選手が目をつけられるだろう。
ただ本大会まであと1年しかない状況のなかで、新しいメンバーとはいってもアドバンテージのあるほうが選ばれやすい。
筆者が考えるそのアドバンテージとは過去に呼ばれた経験があるか、ないしはメンバーたちとのリレーションシップ、つまり「関係性」があるかどうか。