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香川、清武、乾の“トリオ”に続け!
柿谷曜一朗、代表入りの日を考える。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byNIKKAN SPORTS/AFLO
posted2013/03/05 10:31
森島、香川、清武が背負った「8」を今季から受け継いだ柿谷。Jリーグ開幕戦では、新潟相手に0-0で迎えた後半43分に値千金の決勝ゴールを決めた。
「セレッソ2列目トリオ」+柿谷は自然な流れ?
ザッケロー二には就任当初から関係性を大事にしてきた印象がある。
遠藤保仁、長谷部誠のボランチは言わずもがな「岡田ジャパンレギュラーコンビ」。左センターバックとサイドバックには今野泰幸と長友佑都、これは「岡田ジャパン&FC東京コンビ」。またアジアカップでは右サイドバック内田篤人に、右センターバック岩政大樹の「岡田ジャパン&鹿島コンビ」などもあった。
そう見ていくと結構、指揮官が関係性を意識しているように思えてくる。右MFに清武が入るときは右サイドバックに酒井宏樹が入るケースが多かった。これは「U-23右サイドコンビ」。そして最近目につくのがオプションとしての「セレッソ2列目トリオ」だ。香川、清武、乾が並ぶパターンである。昨年10月の欧州遠征フランス戦とブラジル戦でも実現している。
つまりこの流れから言えば、まったくA代表経験のない柿谷であっても3人と一緒にプレーした「セレッソ」という括りの攻撃のオプションと捉えれば、ザックの目に留まってアドバンテージを得ても何らおかしくはないのだ。
「まだ自分が納得できるプレーがJリーグで出来ていない」
柿谷に代表入りについて聞いてみた。
「代表は入りたいですよ。だけどまだ自分が納得できるプレーがJリーグで出来ていない。毎試合、それを確実にできるようになってから、考えたいなとは思います。だからまずはセレッソで結果を残していきたい」
今、柿谷の頭にあるのはセレッソのことばかり。予想通りの答えではあったものの、逆に力強くも聞こえた。
では「納得できるプレー」とは?
そう尋ねると、即答で返ってきた。
「それは90分間全体でのプレーなんです。自分が点を獲って勝ったとしても90分間でボールに触った回数が多くないと納得できない。運動量、それに相手からボールを取った回数とかにもこだわりたい。そういう質が自分はまだまだ低いと思うんでね。90分間しっかりとそこはやっていきたいです」
ゴールという結果、そして90分間における自分自身の納得感――。
3月2日、開幕戦の相手はアルビレックス新潟。終盤までスコアレスの状態が続いたものの、後半43分、扇原貴宏の縦パスに抜け出した柿谷は相手GKが出てきたところをループシュートで決勝点を挙げた。開幕戦で結果を残し、サポーター席に向かって背番号8を誇示した。
結果を出し続けていけば、自ずと代表は見えてくる。
柿谷にようやくの春、近し。
香川、清武、乾をもしのぎうる極上桜、満開となるか――。