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「まだ大丈夫」か「もうダメ」か?
今季わずか3勝、ガンバの絶体絶命。
 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2012/07/13 10:31

「まだ大丈夫」か「もうダメ」か?今季わずか3勝、ガンバの絶体絶命。<Number Web> photograph by AFLO

7月7日(土)のFC東京戦前には、松波監督体制になって初めて選手だけのミーティングを行ったというガンバ大阪。遠藤は「選手同士がコミュニケーションをしっかりとり、ピッチ上で改善できれば」と前向きな発言をしていたが……。

 Jリーグが前半戦を終了したが、最大のサプライズは、ガンバ大阪の低迷だろう。

「まさか、この時期、こんな順位にいるとは想像できなかった……」

 遠藤保仁がそう語るように、17節終了時点で3勝10敗4分け、17位とJ2降格圏内に落ち込んでいる。

 ガンバは2005年リーグ初制覇以降、常にタイトル争いに絡む強豪チームに成長した。だが、昨年、10年続いた西野朗監督を解任し、新たにセホーン&呂比須体制が敷かれたが、それが躓きの始まりだった。開幕から公式戦5連敗を喫すると、2人の指揮官は解任され、コーチだった松波正信が監督に昇格した。ところが、生え抜きで信頼の厚い松波を以てしてもチームを好転できず、今も不振に喘いでいる。

攻めの態勢での失点から、守備意識の低下による失点へ。

 なぜ、ガンバは低迷してしまったのか。

 目に見えて分かりやすいのは、失点の多さだろう。17試合で38失点は、18チーム中、最下位の札幌と並んでリーグ最多だ。

 西野時代もガンバは失点が多かったが、今とは失点の内容が違う。以前は、ガンバが先制し、さらに追加点を狙う中での失点が多かった。今は、名古屋戦、柏戦、FC東京戦もそうだが、前半の早い時間帯に失点することが多い。遠藤も「毎回、同じことを繰り返している。失点が多いんで、守備の意識は高く持ってやっているけど、もっと集中して試合に入るとか、シュートを簡単に打たれないようにコースを切るとか、詰めるところを詰めていかないと失点は減らない」と言うように、全体的に守備の意識が今ひとつ徹底されていない。

 FC東京戦も開始3分の失点は金正也のクリアーミス、17分のルーカスのゴールも二川孝広がコースを切れば、打たれることがなかった。局面でミスが起こったり、誰かがさぼることで守備が機能していないのだ。

機能不全を起こした最終ラインが守備力低下の元凶。

 守備の統一感が欠けているのは、個々の意識の問題もあるが、最終ラインがなかなか安定しないことが大きい。

 5月2日のACL浦項戦以降、加地亮が怪我で欠場し、右サイドバックは日替わり状態だ。

 とりわけ影響が大きいのが、センターバックだ。

 山口智が抜け、今野泰幸を獲得したが、中澤聡太との組合せが今ひとつで機能していない。その中澤も結局怪我で戦線離脱してしまっている。

 ガンバの攻撃は最終ラインを含めた守備の踏張りがあったからこそ成り立っていたが、そこが水漏れだらけになっている。また、右サイドバックの補強は西野監督時代からの大きな課題であったし、山口を放出してからその存在の大きさに気付く……など、フロントの認識の甘さにより、ツケを今払わされている感じだ。

【次ページ】 練習不足によるスタミナ不足が拍車をかける……。

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