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戦力外の男たちがリーガで快進撃!
レバンテが過ごす「夢のシーズン」。 

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工藤拓

工藤拓Taku Kudo

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photograph byGetty Images

posted2011/11/04 10:30

戦力外の男たちがリーガで快進撃!レバンテが過ごす「夢のシーズン」。<Number Web> photograph by Getty Images

本拠地「シウタ・デ・バレンシア」に飾られたレバンテの選手たちの巨大バナー。地元の盛り上がりを象徴している

キャリア終盤に訪れた“第二の青春”はいつまで続く?

 奇跡の快進撃を続けるレバンテだが、チーム内に浮かれた雰囲気はない。選手達は自分達が何者なのかを理解し、地に足を付けて戦っている。

 先日の会見でマルティネス監督は「今や勝利が義務付けられるようになったが」と冗談を飛ばした後、「チームにはこの時を楽しんでもらいたい」と言った。36歳にして第二の青春を謳歌するバジェステロスについて、ファンの間では冗談半分に「バジェステロス! セレクシオン!」と代表入りを求めるコールが流行りはじめている。

 史上初の単独首位に立ったアウェイのビジャレアル戦後、チーム一行を乗せたバスがバレンシアに到着すると、深夜2時過ぎにもかかわらず多数のファンの迎えを受けた。首位に立つ現状がそう長くは続かないことを知っている彼らもまた、今この時を最大限に楽しむべく躍起になっているのだ。

 先日クラブは公式HPにある映像をアップした。レバンテファンの男の子が、レバンテが首位に立つリーガの順位表を切り取り、自身と亡き父親が映る写真立てに貼り付けてほほ笑むというものだ。映像の最後には「たとえどこにいようとも、あなたもまた首位の一員です」という一文が現れる。それはクラブ史上最高の時を迎えずしてこの世を去ったファンに向けられたメッセージだった。

 二度と経験できないかもしれない今この瞬間を堪能すべく、クラブとチーム、ファンが1つになる姿は見る者に勇気と喜びを与えてくれる。あくまでも1部残留を唯一最大の目標とするレバンテ。前節オサスナ戦で首位からは陥落してしまったが、弱小チームの快進撃ははたしてどこまで続くのだろうか。

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