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'75年生まれがメジャーでなお成長中!
上原、高橋、建山の“年男トリオ”。 

text by

菊地慶剛

菊地慶剛Yoshitaka Kikuchi

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photograph byGetty Images

posted2011/07/12 10:30

'75年生まれがメジャーでなお成長中!上原、高橋、建山の“年男トリオ”。<Number Web> photograph by Getty Images

メジャー3年目の上原浩治はクローザーとして活躍中。緩急をつけた投球で着実に抑える。レンジャーズの建山義紀とは大阪・東海大仰星高の野球部の同期生

日本では未経験の起用にも応じ、信頼を勝ち得た建山。

 メジャー挑戦1年目、レンジャーズの建山も、マイナーで開幕を迎えるという“マイナス”スタートながら5月下旬にメジャー昇格を果たし、少しずつ首脳陣の信頼を勝ち取っていった。

 今年はレンジャーズのキャンプ取材をする機会があったが、当時の建山の評価は決して高くなかった。というのも建山と同じ右横手(もしくは下手)投げ投手が他にもいたからだ。昨シーズンも主力中継ぎの1人だったオデイだけでなく、期待の有望選手だったエプリーもいた。実際オデイが左臀部手術で故障者リスト入りした時も、メジャー昇格したのは建山ではなくエプリーだった。そのことからも、当時の首脳陣の建山に対する期待度がわかるだろう。

 しかし、メジャーでは不振が続いたエプリーに代わり建山が昇格すると、登板する度に好投で応え首脳陣にアピールを続けた。昇格後1カ月間の29試合で14試合に登板。やや登板過多といえる状況に加え、高橋同様に日本ではほとんど経験のなかったロングリリーフや4連投もこなした。そしてつい最近オデイが戦列に復帰しても、建山をメジャーに残すほど首脳陣の評価を上げることに成功している。

野球と真摯に向き合える、苦労人3人に共通する言葉。

 この3人に共通するのは年齢だけではない。野球に取り組む姿勢も酷似している。

 今シーズン取材に訪れた際に話を聞いた言葉をご覧頂こう。

「僕の場合は一日一日(が勝負)なんで。どれだけ点差が開いていようが、点差があれば気持ちで投げます」(上原)

「まだ(中継ぎの)役割に戸惑いがありますけど毎日勉強しています。この経験が将来の自分に必ずプラスになると思っています」(高橋)

「自分の場合は四の五の言っていられる立場ではないですから。与えられたところで自分の仕事をするだけです」(建山)

 前述の通り、3人それぞれがここまで不慣れな役割を与えられながらも一生懸命に頑張っている。

 曲がりなりにも日本では十分な実績を残し、確固たる地位を築き上げた選手たちばかり。多少なりともプライドを傷つけられてもおかしくはないだろうが、1日たりとも無駄にせず前を見ながら野球と真摯に向き合っている。

【次ページ】 心と身体を成長させたいと願う、飽くなきプロ意識。

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