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過去20年で最高の外野手は誰だ?
~記録で見る真実の「守備力」~
text by
田端到Itaru Tabata
photograph byHideki Sugiyama/Shigeki Yamamoto/Masashi Ebata
posted2010/01/08 10:30
RF値は高いのに不当に評価が低いように思われる選手も。
同時期に名手として鳴らした新庄剛志も、さすがの数字を残している。阪神時代の'93年と'98年にセ1位。さらにメジャーリーグをはさんで、日本ハムに移籍後の'04年にはパ1位。このほか、'94年、'96年、'00年、'06年にリーグ2位を記録しており、活躍期間の長さでは飯田を上回る。
野球選手らしからぬ足長の体形を躍動させた、人目を惹きつける派手な動き。時にはわざと走者の進塁を誘って刺したという、観客を意識した魅せるプレー。華のある外野手だった。
過小評価されている選手の名前も浮上する。
その代表が、主に横浜ベイスターズで活躍した波留敏夫だろう。
'99年にRF2.36で1位。このほか、'95年、'97年、'98年とトップ3に入っているにも関わらず、ゴールデングラブは1度も受賞できなかった。
同じく横浜の金城龍彦も、'01年と'03年に1位になっているのに、ゴールデングラブの初受賞は'05年だった。横浜ファンは胸を張ろう。
新しい時代の外野手像を確立したともいえる選手とは?
続いてパ・リーグ。
年度 | 選手名 | 試合 | 刺殺 | 補殺 | RF |
---|---|---|---|---|---|
1991 | 大野久(ダイエー) | 130 | 296 | 6 | 2.32 |
1992 | 秋山幸二(西武) | 129 | 293 | 6 | 2.32 |
1993 | 秋山幸二(西武) | 127 | 266 | 9 | 2.17 |
1994 | 秋山幸二(ダイエー) | 128 | 304 | 5 | 2.41 |
1995 | 秋山幸二(ダイエー) | 114 | 258 | 4 | 2.30 |
1996 | 秋山幸二(ダイエー) | 120 | 289 | 7 | 2.47 |
1997 | 井出竜也(日本ハム) | 135 | 313 | 12 | 2.41 |
1998 | 柴原洋(ダイエー) | 111 | 266 | 3 | 2.42 |
1999 | 柴原洋(ダイエー) | 126 | 264 | 13 | 2.20 |
2000 | 井出竜也(日本ハム) | 103 | 241 | 5 | 2.39 |
2001 | 大村直之(近鉄) | 136 | 315 | 5 | 2.35 |
2002 | 井出竜也(日本ハム) | 119 | 248 | 8 | 2.15 |
2003 | 谷佳知(オリックス) | 121 | 274 | 4 | 2.30 |
2004 | 新庄剛志(日本ハム) | 122 | 272 | 8 | 2.30 |
2005 | サブロー(ロッテ) | 105 | 225 | 7 | 2.21 |
2006 | 稲葉篤紀(日本ハム) | 126 | 275 | 7 | 2.24 |
2007 | 森本稀哲(日本ハム) | 143 | 342 | 15 | 2.50 |
2008 | 森本稀哲(日本ハム) | 121 | 258 | 4 | 2.17 |
2009 | 栗山巧(西武) | 140 | 291 | 8 | 2.14 |
※ 赤字は刺殺300以上、補殺10以上、RF2.5以上
西武とダイエーの2球団にまたがり、'92年から'96年まで5年連続1位だったのが秋山幸二である。言わずと知れた現ソフトバンク監督。表にはないが、'87年、'88年も1位だった。
バック宙でおなじみの高い身体能力、'99年の中日との日本シリーズで見せた三角蹴りキャッチ(ファールゾーンぎりぎりのライトフェンス直撃の打球を、ジャンプして捕球。フェンスを蹴りながら回転して素早く送球。ダブルプレーにした)など、大舞台での記憶に残るプレーも数多い。
ちょうどパ・リーグに広い球場が増えていく時期に活躍した名手であり、広いグラウンドがよく似合った。新しい時代の名外野手像を確立した選手だったように思う。