- #1
- #2
メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
「大谷翔平選手らしいなと」カメラマンが見た“エスコートキッズへの神対応”…開幕戦から“和やかすぎるドジャース”の裏にあったリーダーシップ
posted2025/03/26 11:10

開幕シリーズ第2戦の国歌斉唱前、エスコートキッズの帽子をさりげなく取る大谷翔平
text by

NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph by
Nanae Suzuki
東京ドームで行われたドジャースとカブスによるMLB開幕シリーズ。大谷翔平がホームランを放ち、山本由伸は開幕投手として見事勝利。そして今オフに海を渡った佐々木朗希は、第2戦でMLBデビューを飾った。
その2試合を、レンズ越しに見つめたカメラマンがいる。文藝春秋写真部のカメラマンとして、『Sports Graphic Number』で大谷翔平のポートレート撮影、また球場でのプレーを撮影してきた鈴木七絵に、今回の東京シリーズを語ってもらった。
◆◆◆
ADVERTISEMENT
「今回の開幕シリーズを撮影して感じたのは、大谷選手がドジャース2年目を迎え、より一層ほかの選手たちと親密にコミュニケーションをとっている、ということです。昨季の長いポストシーズンを経て、今季も引き続きドジャースベンチにはいい雰囲気が流れているように感じました」
プレーや記録で日米のスーパースターとなった大谷だが、じつはベンチにもたくさんの「らしさ」が詰まっている。そもそも鈴木がベンチ内の撮影を意識的に行い始めたのは2018年、メジャー1年目のアナハイムだった。
「アメリカの球場は日本と異なり、横からベンチの様子がとてもよく見えるんです。カメラ席からベンチを覗いて、『こんな景色が広がっていたんだ』と驚きました」
目線の先には、今にもスイングしそうな勢いで、相手投手を見ながらバットを構える大谷の姿があった。
「ネクストバッターズサークルの前から、気合が入ってるわけですよ。今でこそ多くの選手がやるようになりましたが、当時はあんな選手は少なかったと思います。佐々木投手が今シリーズで相当気合が入っているように見えたのと一緒で、2018年の大谷選手も余裕なんてなくて、前のめりだった。その撮影の時に、ベンチの中で準備をする選手の姿というのは面白いんだなと確信したんです」
大谷の「フレンドリーなリーダーシップ」
そう語る鈴木が今シリーズで撮影したベンチ写真は多岐にわたる。アイシングを終えて戻ってきた佐々木とリラックスした様子で言葉を交わす場面、本塁打後のセレブレーションが印象的なテオスカー・ヘルナンデスとの笑顔……どれも関係性の伝わってくる写真だ。
鈴木は選手たちの交流を撮影する中で、「大谷のリーダーシップ」について考えてきた。
「ドジャースの選手たちからは、勝つために団結できる協調性を感じます。和気あいあいとした印象を受ける理由の一つは、大谷選手のリーダーシップが、すごくフレンドリーな形だからなのではないかと思います。そして選手たち自身も、素の姿を見せることが、ファンのためになるのを理解している。もっと踏み込んで言えば、子供たちが『野球をやりたいな』『野球選手になったら、こんなに楽しそうなのか』と思ってもらえるように、というような思いを感じますね」