2024年M-1・連続インタビューBACK NUMBER
「高校中退、バイク事故で太もも骨折、半年歩けず…」M-1・4位エバースが明かした“壮絶な過去”…相方は大学まで野球エリート「プロ野球を諦めた瞬間」
text by

中村計Kei Nakamura
photograph byTadashi Hosoda
posted2025/03/23 11:07

結成8年、初のM-1決勝で4位になったエバース。佐々木隆史(ボケ、ネタ作り担当、左)と町田和樹(ツッコミ担当)
――そこから就職したんですよね。
町田 3年くらい自動車のディーラーをやっていて。僕、車そこそこ売れたんですよ。なので一度、好きなことやって、ダメだったらまた車を売ればいいやと思ってNSCに入ったんです。地元で周りの人をよく笑わせてたんで、おもしろい人だと勘違いしちゃって。ただ、笑われてただけなんですけど。
――それだけのブランクがありながら、よく同級生の相方と巡り会いましたよね。
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町田 そこは計算してました。僕と同い年の人たちが大学を卒業するタイミングに合わせて入学すれば、その期のNSCは同級生が多いだろうな、と。
野球推薦で大学まで「プロ野球を諦めた瞬間」
――佐々木さんの経歴もなかなか目を引きますよね。野球推薦で大学まで行って。しかも、古川学園高時代は花巻東の菊池雄星(エンゼルス)とも対戦しているとか。
佐々木 でも、練習試合だったんで。ぜんぜん本気じゃなかったと思いますよ、あっちは。変化球、1球もなかったですもん。全球ストレートみたいな感じで。
――プロ野球を目指していた時期もあるわけですよね。
佐々木 いや、さすがにプロはすぐ諦めました。僕、中学のとき県選抜に選ばれてるんです。宮城県の軟式野球で。それでもすごいことだと思ったんですけど、そのチームにめっちゃうまいやつがいて。そのうまいやつらは甲子園常連校の仙台育英とか東北高校に行くわけです。そうしたら、僕がまったく歯が立たなかったやつらが東北高校では控え選手とかに回っていて。上にはどこまでも上がいるんだな、って。もうぜんぜん無理だなという感覚になりましたね。
「ネタはカレーみたい」
――話をM-1に戻しますけど、今大会は負け方としてはよかったんじゃないですか。今年のM-1に向けて、1点差で最終決戦に進めなかったというのも、いいエピソードになる気がします。
佐々木 下手に準優勝とかしているよりはやりやすいなという気はしますね。
町田 去年、決勝に行けてなかったら一生行けないかもという不安もあったので一度、決勝に行けたというのは気分的にもでかいですね。
――毎年、新ネタを4、5本は書くそうですね。