2024年M-1・連続インタビューBACK NUMBER
「高校中退、バイク事故で太もも骨折、半年歩けず…」M-1・4位エバースが明かした“壮絶な過去”…相方は大学まで野球エリート「プロ野球を諦めた瞬間」
posted2025/03/23 11:07

結成8年、初のM-1決勝で4位になったエバース。佐々木隆史(ボケ、ネタ作り担当、左)と町田和樹(ツッコミ担当)
text by

中村計Kei Nakamura
photograph by
Tadashi Hosoda
◆◆◆
――2人は漫才に入るとき、ごく簡単に自己紹介だけして、すっとネタに入るじゃないですか。あれが「とにかくネタを見てくださいね」という感じで、カッコいいですよね。ネタにすごく自信があるんだろうな、という気もして。
佐々木 そこは各コンビの持ち味であって、僕らのやり方が別にいいとは思ってないんです。ただ、僕らの場合、自己紹介ボケをやってしまうと、ネタが成立しなくなってくるんですよ。決勝でやった『桜の木の下』というネタも、僕が町田に相談をして、町田がそれに対する答えを提示してくれて。僕がその提示の問題点を指摘すると、町田がまた新たな提案をしてくれるという繰り返しなんです。よくある人と人との会話であって、別にボケてツッコんでるわけではない。だから自己紹介でいきなりボケるのはおかしいんです。いきなり変なことを言っといて、そこから真剣な顔をして「いや、相談があってね」というのは無理があるじゃないですか。
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――なるほど。だからエバースのネタは人間のおかしみが色濃く滲み出てくるんでしょうね。むき出しの人間味がおもしろい、というか。
佐々木 なので、基本的に僕がネタを考えているんですけど、町田にはもしこういう風に言われたら、おまえはまず何て言う? というのを聞くようにしています。町田にとって言いやすい言葉、違和感のない言葉を使ってほしいので。
「土地開発か」vs「土地開発かよ」
――コンビによっては、明らかにこっちの人がネタをつくってるんだろうなというのが見えてしまう場合もあるじゃないですか。一方はすごくノリノリでセリフを言っていて、もう一方はどこか言わされている感じが出てしまうと。でも2人の場合は、どっちがネタを作っているんだろうと思っちゃうんですよね。2人ともセリフが自分のものになっている気がして。
町田 設定をつくるのは佐々木で、セリフもいちおう考えてきてくれるんですけど、こっちがこんな言い方はどう? と提案すると変えてくれる可能性はあります。
――『桜の木の下』は改良に改良を重ねたということでしたけど、具体的にどのような作業になるのですか。