2024年M-1・連続インタビューBACK NUMBER
「高校中退、バイク事故で太もも骨折、半年歩けず…」M-1・4位エバースが明かした“壮絶な過去”…相方は大学まで野球エリート「プロ野球を諦めた瞬間」
text by

中村計Kei Nakamura
photograph byTadashi Hosoda
posted2025/03/23 11:07

結成8年、初のM-1決勝で4位になったエバース。佐々木隆史(ボケ、ネタ作り担当、左)と町田和樹(ツッコミ担当)
佐々木 ライブでやった動画を見返して、大筋はもう決まってるんで、細かなところですよね。ここのウケ、少ないなと思ったら、そこの言葉を替えてみるとか。「土地開発か」というセリフも、もともとはなかったんですよ。
――約束した桜の木があった場所がショッピングセンターになってしまったというところでの町田さんのツッコミですよね。
佐々木 ここも町田に聞いたんです。この場面、なんて言うのがいいと思う? って。そしたら「エゴイストか」みたいなことを言って。どういう意味? って聞いたら……。
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町田 町のエゴで、みたいな意味だと。
佐々木 僕の考えている方向性とは一致していたんですよね。それで「土地開発か」はどうだみたいな感じで改良していったんです。
――凝り過ぎてもいけないし、ありきたりでもいけないし。そのあたりのさじ加減は本当に難しいんでしょうね。
佐々木 最初は「土地開発かよ」にしたんですけど、「かよ」だといい過ぎな感じがするんですよ。
町田 「土地開発だよ……」とかもあったな。でも「だよ」も違う。
――語尾だけでも違うんですね。
町田 そこは普段のライブで試していくしかないんですけど、吉本は舞台数が多いんで、それができるんですよ。
佐々木 じつは「土地開発か」のときは、お客さんはそんなにウケなかった。でも袖から見ていた芸人たちが笑ってたんで。そこで、おもしろいこと言ってるんだと確信して、これでいくことにしたんです。最終的には、舌打ちしてから「土地開発か」とつぶやくことにしたんだよな。なので、もともと後半に舌打ちするシーンがあったんですけど、そっちの方の舌打ちはなしにしました。2度もあるとくどいので。
高校中退、バイク事故で太ももが真っ二つに…
――2人は東京NSC(2015年)の同期で、同じ歳ですけど、そこまでの経緯はぜんぜん違うんですよね。佐々木さんは大学を出てNSCに入学していますけど、町田さんは……。
町田 僕は高校2年の終わりで中退して、そしたらバイク事故を起こして。そこから1カ月半くらい入院しました。接触事故で太ももの骨が真っ二つになったんです。なので、半年くらい歩けませんでした。若かったから治りましたけど、今ぐらいの年齢(32歳)だったら歩けなくなっていたかもしれないです。あのときはマジで終わったと思いましたね。